日本のモノづくりの今を支える最新技術が一堂に!  CEATEC JAPAN 2019 開幕前夜

2019年10月14日 14:35

CEATEC

CEATEC JAPAN 2019でローム株式会社は3軸加速度センサ「KX13x-1211」を含む各種ソリューションを展示予定。日本のモノづくりの今を支える最新技術が幕張メッセに集結する。

 10月15日から18日の4日間、幕張メッセにて開催が予定されている、CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(Internet of Things)をテーマとしたアジア最大級の国際展示会「CEATEC JAPAN 2019」を控え、関連業界が俄かに慌ただしくなっている。

 主催者事務局の発表によると、昨年の「CEATEC JAPAN 2018」の出展者数は725社/団体で、うち新規出展者数は345社/団体。会期4日間の登録来場者総数は前年比2.6%増 の156063人で、1日あたりの来場者数は歴代5位の39016人となった。

 今年も昨年に引き続き「つながる社会、共創する未来」が開催テーマとなっており、CPSやIoTを主軸に「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指す展示会となりそうだ。

 10月に入ってから、出展予定の企業からも展示内容に関する情報が続々と公開されている。

 CEATEC JAPAN 2018で初出展にも関わらず経済産業大臣賞を受賞した次世代ドローンの株式会社エアロネクストは、エアモビリティに新たな革新を起こす新モデル「NextMOBILITYR」を初公開する。同社独自の重心制御技術「4D GRAVITYR」と革新的な機体フレームの新技術を搭載、世界各国で進みつつある次世代移動サービスシステムMaaS(Mobility as a Service)をも視野に入れた展示を行うという。

 また、舶用電子機器および産業用電子機器などの製造・販売を行う古野電気株式会社〈6814〉は、“「みえないものをみる」技術で新たな価値創造”をコンセプトに置いた数々の取り組みを紹介する。

 具体的な内容としては、10月4日にリリースされたばかりの、戸田建設株式会社〈1860〉と共同開発した「ビル建設現場向け無線LANシステム」をはじめ、同社が将来研究テーマとして取り組んでいる事例として、上空の雲を観測し日射量を予測する「雲カメラ」や、豪雨の前兆を捉える「水蒸気観測」、単眼カメラとGNSSコンパスを用いた「AR空間認識」などについての展示となるようだ。

 そして、こういった最新技術のさらに奥深いところで注目されているのが、各種センサを用いたソリューションだ。CPSやIoTを活用するためには、当然ながら、まずは様々なデータの取得が必要となる。そこで必要となるのが高性能なセンサだ。

 富士キメラ総研の調査によると、2018年度のセンサの世界市場規模(出荷金額ベース)は6兆1772億円を順調に拡大しており、22年度の市場規模は18年度比で24%増の7兆7009億円に成長すると見込んでいる。とくに今後需要が伸びると目されているのは、小型化や省電力化などに秀でた高性能センサだ。

 例えば、今回のCEATEC JAPAN 2019でローム株式会社が展示を予定している、業界初のノイズフィルタリング機能内蔵の3 軸加速度センサ「KX13x-1211」などがある。同製品は、ロームグループでニューヨーク州イサカに本社を置くKionix, Inc.が開発し、10月9日に発表したばかりの新製品だ。従来マイコン側で行っていたセンサ信号の処理やノイズフィルタリングの機能を加速度センサ側に搭載したことで、マイコンの負荷を軽減し、アプリケーションの消費電力低減と性能向上を実現。高周波・高加速度の検知と、高温環境での動作が可能で、とくに産業機器のマシンヘルスモニタリングをフレキシブルにサポートすることが期待できる。今回は、自動車の省電力スマートキーとしてデモ展示するという。

 普段はあまり表には出てこない、こういった深部の最新技術が数多く集まり、紹介されるのもCEATECの大きな魅力だ。日本のモノづくりの今がここにあるといっても過言ではないだろう。(編集担当:藤原伊織)