日中韓3か国環境相会合が24日、北九州市で開かれた際、韓国の趙明来(チョ・ミョンレ)環境部長官が小泉進次郎環境大臣に東京電力福島第一原発事故により今も毎日100トンの放射性物質による汚染水が出続けていることを踏まえ、この汚染水処理でも取り除けていない放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋に放出しないよう要請するとともに、海洋放出に対する韓国国民の懸念を伝えた。
趙環境部長官は汚染水に対する処理対応について周辺国が信頼できるよう、処理現況などの情報を提供するよう要請した。聯合ニュースは、趙環境部長官の要請に、小泉環境大臣が「科学的根拠に基づき、透明性を持って丁寧に説明していく、と述べた」と伝えた。
海洋放出をめぐっては今年10月イギリスで開かれたロンドン条約・議定書締結国会議でも韓国のほか中国、チリからも憂慮する声が出され「大阪湾まで船で運んで投棄するようなことがあればロンドン条約に違反する」との指摘も出た。同時に汚染水の管理計画を国際社会と共有するよう日本政府に求めていた。
政府はこれまでに在京外交団に対し100回を超える東電第一原発の状況説明会を重ねており、今年9月には汚染水問題での説明会を開いた。懸念や関心の高さから説明会には韓国はじめ22の国、地域から関係者が出席。外務省は「国際社会に対し透明性をもって丁寧に説明していく」としている。
24日の日韓環境相会談では深刻化しているプラスチックごみの問題についても共同して対応していくことを確認。プラスチックごみを減量するための政策開発で協力することで一致した。(編集担当:森高龍二)