日本の上空に寒気が入ることが多かったため、気温はとなった1月。この気温に大きく集客が左右されるという百貨店の売上高概況が発表された。調査対象百貨店は86社の249店で、売上高総額は前年同月比0.2%増の約5472億円と2カ月ぶりのプラスに、総店舗面積は同1.4%減、総従業員数は同5.7%減という結果となった。
今年1月は、強い寒気による気温低下や中旬の連休に大雪が重なったことなどが入店客数に大きく影響。入店客数増減は、有効回答数133店舗のうち「増加した」と回答した店舗は24店、「変化なし」39店、「減少した」70店となった。しかし、初商や福袋が活況となり、冬のクリアランスも堅調に推移。輸入特選雑貨を含む身のまわり品が前年同月比3.6%増、高級時計などの高額商材が同6.8%増と大幅な伸びを示した。また、マフラー・手袋など防寒アイテムが活発に動いたほか、前年同月比2.3%増となった菓子類を中心に食料品も同0.6%増も好調に推移したことなどから、天候不順によるマイナスを抑えて、最終的には前年実績を上回る結果となっている。
その他当月の特徴的な動向としては、増床・改装効果のある東京や大阪を中心に大都市(10都市)が前年同月比1.0%増と商況全体を牽引。一方の10都市以外の地区売上は同1.4%減と2か月連続でマイナスとなった。さらに訪日外国人については、昨年は去年1月23日であった春節の日程がずれ、今年は2月10日となった反動で、売上高が前年同月比2.8%減、購買客数も同10.1%減と、共2か月ぶりに減少している。しかし、東南アジア等の顕著な伸びもあり、実質的には回復基調が続いているという。
昨年末から景気は好感触で推移しているものの、実体経済、消費活動にまで影響する処にまでは至っていない。しかし、高級時計などの高額商材が大幅な伸びを見せているなど、回復に向けた端緒はうかがえる。このまま消費活動が順調に広がり、本格的な実感の出来る景気回復となるか、期待が高まるところであろう。(編集担当:井畑学)