国と地方の協議の場が11日、総理官邸で開かれ、全国知事会、全国市長会、全国町村長会、および全国都道府県議会議長会など地方6団体は厚労省が示した病院再編統合の検討を求める案に対し「分析データのみで再編・統合を進めることは適切でない」と問題提起したうえで「地方と十分協議のうえ、その意見を施策に反映するよう」にと安倍晋三総理に要請した。
厚労省が示した「地域医療構想」では全国424の公立・公的病院が名指しで公表され、再編・統合を検討するよう求めている。
地方6団体は「全国一律の基準で分析したデータだけで再編統合を推進することは適切ではない」と指摘し「今後は地域医療確保に関する国と地方の協議の場などで、医師の偏在対策、医療従事者の働き方改革とも併せて、地方と十分協議を行い、意見を施策に反映するよう」にとしている。
地方6団体は厚労省が再編・統合で指摘した根拠が「類似の病院が車で20分以内にあるか、がんや救急など9項目の診療実績が少ない」とする、いわば現場状況を全く無視した単純な基準で検討を求めていることを重大な問題だとした。地方住民は対象病院名を知り「地元の質の良い病院なのに、なぜ再編統合の対象になるのか、酷すぎる」と国のやり方に怒りを隠せないでいた。(編集担当:森高龍二)