日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国系自動車協会連合会による、2020年1月の新車販売データが出揃った。
メーカー別・登録車販売台数(5ナンバー車と3ナンバー車の乗用車合計)は前年実績を大きく下回る19万2821台で、前年比88.5%だった。メーカー別でも前年実績をクリアしたのは、久々に登録車の新車「ロッキー」を投入したダイハツの5137台(前年比116.3%)とインプレッサが好調なSUBARUの8456台(157.1%)ともともと分母が小さい2社だけ。決算予想で高収益を発表したトヨタでも9万3518台(96.3%)だった。
目を覆うばかりの販売実績だったのは、ホンダの1万9684台(65.4%)、日産の2万0121台(64.1%)だ。
軽自動車に目を移しても、落ち込みは激しく、1月の軽乗用車販売台数は10万8373台(前年比86.9%)だ。前年実績を超えたのは日産とSUBARUで、皮肉にも自社生産を行っていない2社という結果だった。
各社のモデル名別販売台数は、以下のとおり。昨年までと何科が変わり始めていると思える数字が並んだ。
■□2020年1月 国内新車販売ランキング□■
1)ホンダN-BOX 18,953台 (98.8%)*
2)日産デイズ 14,266台(105.4%)*
3)スズキ・スペーシア 12,411台(101.1%)*
4)ダイハツ・タント 12.322台(152.6%)*
5)トヨタ・ライズ 10,220台( ── )
6)ダイハツ・ムーヴ 8,957台(128.7%)*
7)トヨタ・カローラ 8,480台(129.2%)
8)日産ノート 7,529台 (65.8%)
9)トヨタ・シエンタ 6,831台 (79.4%)
10)日産セレナ 6,781台 (67.1%)
11)ホンダ・フリード 6,759台(100.9%)
12)トヨタ・プリウス 6,659台 (76.4%)
13)トヨタ・アクア 6,622台 (74.6%)
14)トヨタ・ルーミー 6,193台 (95.4%)
15)ダイハツ・ミラ 5,841台(105.7%)*
16)スズキ・アルト 5,636台(112.6%)
17)トヨタ・ヴォクシー 5,557台 (76.8%)
18)トヨタRAV4 5,549台 ( ── )
19)スズキ・ハスラー 5,537台(126.8%)*
20)トヨタ・アルファード 5,147台 (87.1%)
※カッコ内は前年同期比 *は軽自動車
トップは相変わらずホンダN-BOXだが、ホンダ販売店はこの軽自動車1台に頼っている構図から脱却できない。2月の新型フィットの発売でいかに変わるか注視したい。それにしても第4位まで軽自動車が占めているのは何とも……。
ところが登録車でトップに躍り出たのは、予想していたコトだが、トヨタ・ライズだ。兄弟車のダイハツ・ロッキーの3153台を合わせると1万3373台で、トヨタ製ハイブリッド専用車であるプリウスとアクアの2台合計1万3211台とほぼ同じ。新車販売ベスト3に入る。そのハイブリッド専用車、プリウスとアクアが揃ってベスト10から陥落したのもちょっとニュースといえそうだ。
トヨタの新車販売を支えたのはダイハツ製のベーシックカー、ライズだったということである。消費者は軽自動車じゃ無い、5ナンバーで全長4m未満のベーシックモデル、しかも長距離ドライブは少なく、好燃費というハイブリッドのメリットを必要としないユーザーが大勢いたということである。トヨタは満を持して2月に発売するBセグメントの量販車「新型ヤリス」に大きな期待を寄せている。
いっぽう、日産ディーラーの販売支えてきた3本の矢の2本、e-Power搭載2車、ノートとセレナが失速気味だ。完全に日産ディーラーは販売の糧を失いつつある。軽自動車のデイズを売っても利益はノートの半分以下でしかない。早急に新型車・目新しいメカ・新商品の投入がないと、販売の現場が立ちゆかなくなる。(編集担当:吉田恒)