検察官の定年を国家公務員等の定年に合わせ、段階的に65歳にする規定するとともに1947年の「検察庁法」制定以降、認められてこなかった「検察官の定年延長を内閣ないし法務大臣の判断で認める規定」を盛り込んだ検察庁法改正案が審議入りする。
法律の専門家らでつくる自由法曹団は「すべての検察官の定年人事に恣意的な政治介入を許す法案を国会に提案すること自体、厳しく糾弾されなければならない」と強く非難。「万一にも数の力で強行しようとすることは、政府与党が法治国家の誇りも保障もかなぐり捨てる暴挙、厳しく糾弾されなければならない」とつよく警鐘を鳴らし、世論にも訴えている。
法案を巡っては検察の独立性侵害への懸念から検察官からも反対の声が強い。野党も揃って「暴挙だ」と改正に反対している。
自由法曹団は改正案について「検察官全体の人事に政権が恒常的に介入することを合法化するもので、刑事司法の独立と公正を蹂躙し続ける」結果となり「影響は計り知れない」と検察庁法改正案の撤回を求めるとともに、法案成立による影響の大きさに警鐘を鳴らしている。
法案を巡っては社会文化法律センター、青年法律家協会弁護士学者合同部会、日本国際法律家協会、日本反核法律家協会、日本民主法律家協会も自由法曹団と同様に法案撤回を強く求めている。(編集担当:森高龍二)