安倍晋三総理は17日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための「緊急事態宣言」対象を7都府県から、全国すべての都道府県にすると発表した。期間は5月6日まで。
今月末からのGW(大型連休)を意識し、全国的に感染が広がる傾向が収束しないことから、人との接触を「最低7割、極力8割」減らすことに徹底して取り組まなければ5月6日までに収束させることができないと判断したとし、すべての国民に一層の協力を求めた。
東京、千葉、神奈川、埼玉、大阪、兵庫、福岡、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都は特に「特定警戒都道府県」に指定し、圏外への移動を控えるよう求めた。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が大幅に激減した家庭に30万円給付するとした方針を転換。安倍総理は緊急事態宣言の対象を全国とし、すべての国民に協力を要請することになるとして、条件を付して30万円を給付する計画を撤回。「すべての国民に一律1人あたり10万円を給付する方向で与党において検討してもらう」と語った。
このため当初に予定していた補正予算案を大幅に組み替え、国会での早期成立を目指す。財源は予備費と国債で賄うことになりそう。
すべての国民を対象に一律1人10万円給付は野党が当初から求めていた内容で、与党公明党の山口那津男代表が15日に続き16日も安倍総理に強く求めたことや自民党内にも同様の意見が上がっていたことから、見直される補正予算は短期に国会で成立することになりそう。
ただ、感染リスクの高い医療現場などに従事する人たちへ「危険手当」を求める声もあり、こうした声にどうこたえ、補正予算に反映させていくのかどうかも課題にある。(編集担当:森高龍二)