新型コロナウイルス感染症対策の政府方針が2月下旬に発表されて以来、1カ月以上にわたり社会経済活動の自粛が続き、既に各種景気指標は最悪の状態に陥っている。
4月7日、政府は首都圏、阪神、福岡を対象とした非常事態宣言を発令し、さらに強い事業の休業要請等の規制も可能となり、さらなる経済の縮小が予測される。政府はGDPの約5分の1、国家予算に匹敵する100兆円を超す追加経済対策を実施する予定だが、先行き不透明感は増大し出口が見えない現状だ。
6日、与信管理業のリスクモンスターが「新型コロナウイルスによる影響」に関する調査の結果を公表している。この調査は同社のセミナーに参加した企業担当270名を対象に3月中旬に行ったものだ。
調査結果によれば、新型コロナウイルスの影響によって「業績はどのように変化すると思うか」と業績の見通しを聞いたところ、「悪くなると思う」と答えた企業担当の割合は71.1%で最多となり、「変わらない」が26.3%、「良くなると思う」は2.6%の順となっている。7割超えの企業担当が今後業績の悪化を見込んでいるようだ。
業種別にみると、「小売・卸売業」の87.2%が「悪くなると思う」と回答しており、やはり外出自粛、休業要請等の影響が最も大きいことがうかがえる。次いで「製造業」も74.3%が「悪くなると思う」と回答しており、世界的な感染の広がりで世界経済の縮小を懸念しているようだ。
「新型コロナの影響はいつまで続くと考えているか」という問いに対しては、「3月まで」が2.2%、「4月まで」が10.0%、「5月まで」が18.9%、「夏まで」35.6%、「秋まで」11.1%、「年末まで」14.8%、「21年以降も続く」も7.4%となっている。「夏まで」が3分の1以上を占め最も多くなっているが、「夏まで」以降「21年以降も」までを合計すると68.9%、約7割が夏以降も影響が続くと長期戦を見込んでいるようだ。
「取引先の倒産リスクは高まっていると思うか」という質問に対しては、「思う」が58.9%、「思わない」41.1%となっており、約6割の企業担当が貸し倒れリスクを懸念している。業種別には、やはり小売・卸売業で70.5%と最も高く、ついでサービス業の59.6%、製造業でも52.9%と半数を超えており、連鎖倒産も危惧される状況だ。政府の十分な資金繰り支援策が急務だ。(編集担当:久保田雄城)