政府が新型コロナ感染対策の基本方針を2月25日に発表して以来1カ月以上にわたり自粛要請が続いている。さらに3月25日には小池東京都知事が感染爆発重大局面として、これまでより強い外出自粛要請を行った。既に飲食業界では客足が大きく落ち込むなどの影響が報告されていたが、事態は飲食店にとってさらに厳しい状況へと進展しているようだ。
情報通信業のショーケースが首都圏の飲食業界経営者126名を対象として3月26日から30日に緊急アンケート調査を実施し、3日にその集計結果を公表した。
レポートによれば、新型コロナの影響が出始めた時期について約44%が2月中旬以降と回答しており、その内容については売上減や予約キャンセルなどとなっている。
「直近の売上はどの程度の減少か」と聞いた結果では、「50%以上減少」が11.9%、「30%から50%」が23.0%、「10%から30%」が38.9%、「10%以下」が14.3%、「平常以上」5.6%、「未回答」6.4%となっており34.9%が3割以上、73.8%が1割以上の減少となっている。
「新型コロナによる事業への影響はどの程度か」という質問に対しては、「このままだと事業継続が困難なレベル」と回答した飲食店の割合は61.1%、「影響はあるが事業継続に支障なし」が36.5%、「あまり影響なし」2.4%となっている。首都圏の飲食店の6割以上がこのまま自粛要請の状況が続いた場合、事業継続が困難という危機的な状況だ。
「今後、さらに強化したいもの、検討しているものは何か」という質問に対しては、「衛生面の強化」7割近くで最も多く、次いで「宅配やテイクアウト強化」が6割強と続き、店の衛生面を強化し安全性を高めるとともに宅配やテイクアウトなど業態の変更も考えている飲食店が6割を超えている。
この他「営業時間や休業日の見直し」、「従業員の解雇や労働時間短縮」も3割を超えており雇用への影響も心配だ。また、4割超の経営者が公的融資制度などの活用を検討していると回答しており、売上が激減し資金繰りが厳しい中、何とか事業を継続し雇用を守ろうとしている様子がうかがえる。
安倍総理は既に新型コロナ対策は長期戦であると明言している。中小零細を中心に飲食店に対する早急な支援策の実施が必要だ。(編集担当:久保田雄城)