中小企業金融円滑化法利用後の倒産相次ぐ

2011年12月09日 11:00

 中小企業金融円滑化法に基づいた融資を受け、経営してきた中小企業の息切れが顕著になってきた。

 帝国データバンクのまとめで、同法が施行された2009年12月4日から1年目での倒産は12件にとどまったものの、2年目を迎えた今年は178件が倒産。同法施行から累計で190件が倒産したことが分かった。

 190件のうち59件が製造業、51件が建設業だった。また、倒産原因の80%が販売不振によるものだった。負債規模では127件が5億円未満のもので、165件は破産手続きをとった。

 帝国データバンクでは「今後は円滑化法の再延長の有無にかかわらず、金融機関が企業選別の動きを徐々に強めていくことが予想される。推定30万社前後とみられる円滑化法利用企業の中から、仮に1%でも倒産手続き入りすれば3000社にのぼるなど、企業倒産全体に与えるインパクトも大きい。円高、震災、海外経済の減速など、厳しい外部環境の中での経営改善は容易ではない。今後も、業績不振のまま力尽きる中小零細企業が相次ぐことが予想される」と警鐘を鳴らしている。(編集担当:福角忠夫)