安倍晋三総理は25日の記者会見で、東京高検、黒川弘務前検事長の「訓告」処分について記者団に問われ「21日に法務省から検事総長に対し、調査結果に基づき『訓告が相当』と考える旨を伝え、検事総長においても訓告が相当であると判断をし、処分したものと承知をしている」と述べ、法務省が懲戒相当と判断していたものを「官邸が懲戒にはしないと結論付けた」ため、法務省内規に基づく「訓告」になったとする報道を否定した。
そのうえで「私自身は、森法務大臣から事実関係の調査結果を踏まえて処分を行ったこと、その上で、黒川氏本人より辞意の表明があったので、これを認めることとしたいとの報告があり、法務省の対応を了承したもの。対応を了承しておりますので、この処分について総理大臣として、行政府の長として、責任を持っている」と述べ、処分を了承したことへの責任はあるものの、訓告判断に対して直接の責任はないと距離を置きたい意向がうかがえた。
また、黒川氏への退職金について「訓告処分に従って減額されているというふうに承知をしている」と答えた。
菅義偉官房長官も同日の記者会見で「法務省が検事総長に訓告が相当と考えると伝え、検事総長も訓告が相当と判断して処分したと承知している」とし「法務省から内閣に報告があり、異論がないと回答した」と官房は報告を受け、それに異論はないとしたもので、処分を決める過程には関与していない旨を主張した。
森まさこ法務大臣は同日の国会答弁で、法務省で検討する際、「内閣とも並行し協議」と述べ、内閣官房の意見反映の余地をうかがわせている。(編集担当:森高龍二)