持続化給付金を巡り、国から支給事務を769億円で受託していた一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」(本部・東京都中央区)が別会社に749億円で再委託していた問題。
サービスデザイン推進協議会は1日、HPで「事業執行にあたっては中小企業庁の監督の下、適切な指導をいただきながら進めており、事業実施後、経済産業省が定めた『委託事業事務処理マニュアル』に沿って、精算を行った上で、確定検査を受けて完了いたします。当協議会並びに当協議会からの再委託先が不当な利益を得るようなことは一切ございません」との説明文を報道向けに発表した。
サービスデザイン推進協議会は2016年に電通と人材派遣会社パソナ、アウトソーシング会社のトランス・コスモスが設立した一般社団法人。
協議会は持続化給付金受託事業について「中小企業・個人事業者の方々の給付金総額は2.3兆円規模となりますが、当協議会では総額769億円の範囲内で本事業を運営している。迅速に給付を行っていくため、全国各地の企業・団体の協力を得て、現在9000名以上の体制で(1)大量の給付金申請の審査(法人・個人)体制(2)全国465カ所(6月から541カ所)に申請サポート会場を設置(3)約350名体制のコールセンターを設置するなどの業務を推進している、としている。
そのうえで「本事業は中小企業庁の委託事業であり、事業内容について当協議会が回答できることには限りがあることをご理解いただき、中小企業庁までお問い合わせいただきますよう」と結んでおり、別会社への再委託についての説明は述べられていない。受託額の中で委託事務作業は完了すると強調しているように見えた。(編集担当:森高龍二)