検事総長に17日付けで東京高検検事長の林真琴氏が就任する。「官邸の門番」と揶揄された黒川弘務前東京高検検事長が安倍晋三総理の後押しで任期延長の末、検事総長に就任するのではと有力視されていたが、産経新聞記者らと金銭を賭けてのマージャンを数年にわたり繰り返していたことが発覚し、責任を取り辞任。
これを受け、名古屋高検検事長だった林氏が東京高検検事長に就任し、今回の検事総長就任が決まった。林氏の検事総長就任は14日に閣議決定された。
黒川氏の任期延長や検察庁法改正を巡る一連の動きに、官邸と検察の距離に不信感が生じていた。直近では河井克行前法務大臣(衆院議員)と妻の案里参院議員の公選法違反(買収等)容疑による逮捕・起訴で検察への信頼は若干、改善しつつあるが、どこまで真相を解明し、立件できるか、検察の動向に国民の関心は高まっている。
また森まさこ法務大臣は14日の記者会見で、検察・法務行政の失われた信頼回復に向け「前早稲田大学総長の鎌田薫氏を座長とする法務・検察行政刷新会議を立ち上げる」と発表。森大臣は「法務省、検察が国民から信頼される組織になるよう、検察官の倫理、未来志向での法務行政の透明化、我が国の刑事手続について国際的な理解が得られるようにするための方策という3つの柱をお示しした。これに沿って、会議の場で具体的な検討事項について議論をいただく」と述べた。初会合を16日午後2時に開かれる。(編集担当:森高龍二)