1・5億の説明責任「党が果たさねば」安倍総理

2020年07月09日 07:19

 安倍晋三総理は8日、河井克行前法相(衆院議員)と妻の案里参院議員がさきの参院選挙での票固めを図り地元自治体の首長や地元議員らに現金を配ったとして公選法違反(買収)で起訴されたのを受け「かつて法相に任命した者として責任を痛感し、国民に改めてお詫び申し上げたい」などと述べた。

 安倍総理は任命責任を認めながらも、これまでも自らは責任をとっていない、と野党側や国民から非難の声が出ている。

 また河井議員側に自民党本部から1億5000万円が提供され、この金が買収資金に充てられたのではないかとの疑惑やこのうち1億2000万円は税金を原資とする「政党助成金」ではなかったのか、との疑惑について自民党は何ら説明責任を果たしていない。

 自民党総裁でもある安倍総理は「党として説明責任を果たしていかなければならない」と述べた。総裁として1億5000万円に関する説明を公の場で行うよう党本部に指示しなければ、口だけとのそしりは免れない。

 また河井議員らが地元議員に金銭を配布後に、安倍総理秘書がこの議員を訪ね、安倍総理が強く推していることを印象付けていたことも一部で報じられており、総理・総裁としての責任は重い。

 社会民主党の吉田忠智幹事長は「逮捕された河井案里参院議員の夫・克行前法相は自治体議員らに金を渡す際、一部に『安倍さんから』と安倍首相の名前を出していたことが報じられている。検察当局は法と証拠に基づき、全容解明を図るよう求める」と全容解明にメスを入れるよう期待する談話を発表した。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は「この起訴を契機に、潔く2人揃って議員辞職するべきだ。(自民党を)離党したが、自民党側にも(河井夫妻に)議員辞職を働きかけるように強く求めていきたい。このような人物を法務大臣に任命した安倍総理の任命責任も非常に大きいと言わざるを得ない」と語った。(編集担当:森高龍二)