新党へ、国民民主・玉木代表の党内統率力がカギ

2020年07月17日 06:10

 衆院解散・総選挙が10月25日投開票で実施される可能性がある中、選挙対応で自公政権に代わる政党の設立ないし、野党挙党体制による小選挙区候補の「1本化」が至上命題になっており、野党第1党の立憲民主党・枝野幸男代表は16日の記者会見で、国民民主党に提示した新党結成への結論を早急に行うよう強い期待を示した。

 枝野代表は国民民主党に対して「立憲民主党、国民民主党双方が解党し合併する『新設合併』方式で新党を結成すること」を提案しているほか、新党の名称を「立憲民主党」とし、通称・略称を「民主党」とすることを提案している。

 解党したうえでの新党結成を選択提起したことには「共同会派で共に活動し、志を共にするすべての議員が排除されることなく、過去の経緯を乗り越えて参加できる環境を整備することが必要と考えた」と説明した。

 党名を『立憲民主党』として提案している理由については「現政権のさまざまな問題点は『権力は憲法によって制約される』という立憲主義を無視することに起因している」と指摘。

枝野代表は「(安倍内閣は)民主主義を単純かつ形式的な多数決と捉え、自由や基本的人権の保障を軽視し、幅広い民意の合意形成に努める姿勢を放棄し、少数の立場や意見を切り捨てている。『民は由らしむべし、知らしむべからず』とでも言うように公文書の隠蔽、改ざんなどを繰り返している。立憲主義に支えられた真の民主主義実現の必要性と重要性は私自身の一貫した揺るぎない確信であると同時に、共同会派すべての仲間で共有されている根本理念」と述べた。

枝野代表は「ゼロから立ち上げた立憲民主党をこれまで草の根から支えてきていただいている皆さんの信頼と期待に応えつつ、政権選択肢として幅広い力を結集する責任を果たすという命題を解決する上で、苦渋の判断に基づくものだ」とも語った。

一方、国民民主党内では日本維新の会との関係を深める前原誠司衆院議員グループが立憲民主党との合流に難色を示すとみられ、玉木雄一郎代表が党内をどう整理し、統率できるかがポイントになる。新党結党に反対し離党するグループがでることも是とし対応する英断が求められそうだ。政党支持率が世論調査で1%しか得られていない現実に対しても国民民主には反省と党の在り方を見直すことが求められている。(編集担当:森高龍二)