次期「総理」となる自民党の「総裁」選挙は、事実上、「ポスト安倍」から石破茂・元幹事長外しとなる選挙方法になった。自民党総務会は1日、二階俊博幹事長の提案通りに、党員投票はせず、衆参国会議員と都道府県連の代表(各都道府県毎に3人)のみで総裁選出をする「両院議員総会での選出を決定」した。
現職閣僚からも、党内若手議員らからも「総裁選挙は党員投票を実施するよう」強く要望が出されたが、聞き入れられなかった。
鈴木俊一総務会長は選出方法決定後の記者会見で「二階幹事長は総裁選出方法を一任されたが、安倍晋三総理の体調を考えると1日も早く、負担軽減を図ることが重要だ」などと説明したという。
また経済対応などをあげ「後継選出は緊急を要する」とし、「党大会に代わる両院議員総会で、(衆参)両院議員と都道府県連代表各3人により、新総裁を選出することにしたい」と述べたという。
鈴木氏は事務方の説明では、党員投票を行うフルスペックの選挙の場合、選挙人確定などに時間がかかり(告知から投票まで)約2か月かかるとし、総理の体調を考えると2か月は駆けるべきではない、とした。
そのうえで、都道府県連がそれぞれ地元の意向を汲み取って、代表が、これを反映して3票を投票するよう要請した。
しかし、両院議員総会での選出では国会議員票が394票、都道府県連票が141票と国会議員の派閥勢力による意向が圧倒的に反映されることになるため、「実態は派閥主導の総裁選」との批判は免れない状況だ。
総裁選挙は石破氏のほか、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の三つ巴になりそう。自民党は同日、野田毅氏、馳浩氏ら11人からなる総裁選挙管理員会を発足させた。(編集担当:森高龍二)