ベトナム訪問中の菅義偉総理は19日、日本とベトナムの友好の証としてグローバルな人材育成のために2014年に設立された日越大学で講演し「ASEANの皆さんとの友情と協力を深めていきたい。ASEANというかけがえのない友人を大切にしていく。そしてお互い良き友人として、自由で開かれたインド太平洋の更なる繁栄のために、共に汗をかき、共に力を合わせ、前に進んでいきたい」と語った。
菅総理は「ASEANと日本は対等なパートナーであり、友人。成長を目指し一緒に努力し、切磋琢磨し、協力しながら支え合っていく。心と心の触れ合う関係にある」とし、背景には「法の支配、開放性、自由、透明性、包摂性といった基本的な原則をASEANと日本がしっかり共有していることが鍵になっている」と強調した。
菅総理は中国の南シナ海への海洋進出を取り上げ「法の支配や開放性とは逆行する動きが南シナ海で起きている」と指摘し「日本は、南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも強く反対している。日本はこれまで一貫して、海における法の支配の貫徹を支持してきた。南シナ海をめぐる問題の全ての当事国が力や威圧によらず、国際法に基づく紛争の平和的な解決に向け努力することが重要」とした。
そのうえで菅総理は「ベトナム、フィリピンなどに対し、巡視船や海上保安関連機材の供与を実施しており、インドネシア、マレーシアなども含めたシーレーン沿岸国への研修・専門家派遣等を通じた人材育成も進めている。今後ともこのような協力を惜しまず進めていきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)