マイナカード 22年度末達成に月単位ノルマ?

2020年10月28日 06:30

 総務省は菅義偉総理が2022年にほぼすべての国民がマイナンバーカードを持つよう普及させたいなどと所信表明演説したことから、国民の多くが必要性を感じずカード発行の申請をしていない状況で、『マイナンバーカード』普及目標達成のためとして、全国の自治体首長らに普及取り組みへの一層の努力を求める書簡を出すとともに「2022年度末にほぼ全国民に行き渡ることを想定した場合の1月当たりに必要な交付枚数などを記載した一覧表」まで送り付けた。ノルマのように受け取る自治体も出てきそう。

 武田良太総務大臣は27日の記者会見で「大臣書簡を発出した」とし「マイナンバーカードはオンラインで確実な本人確認を行うことができ、デジタル社会の基盤となるものだ」などと語った。

 そのうえで知事や市町村長に対し「申請促進と交付体制の強化の両面から取り組みを強化するべく、政府の広報や未取得者へのQRコード付き交付申請書の個別送付に呼応して、商業施設等での出張申請受付や申請サポートを積極的に実施すること、申請数の倍増を前提に交付窓口や人員の増強、土日交付の更なる実施を行うための市町村の交付円滑化計画の改訂などを要請した」と語った。

 武田大臣は「ありとあらゆる取り組みにより、マイナンバーカードの普及を更に加速していきたい」とした。総務省はすでに全国自治体にこれまでも普及活動を要請し、都道府県職員はじめ市区町村職員やその家族まで、半ば強制的(?)に普及させてきた。地方自治体の職員は「国の政策なので、家族も申請させた」と話す。そうした背景を含めても、今年9月末までの普及率は2割台にとどまる。マイナンバーカードを保有しなくても日常生活に不便さがまったくないことが最大理由のよう。(編集担当:森高龍二)