総務省は22日の衆院予算委員会理事会に「国家公務員倫理規定違反の疑いのある会食関係資料」を提出。これにより菅義偉総理の長男で総務省の許認可関係から利害関係になる菅正剛氏から会食やタクシーチケットなどの接待を受けていた職員は12人に及び、延べ38件になっていたことが分かった。
また内閣広報官の山田真貴子氏も2019年11月に東北新社から接待を受けていたことが明らかになった。
このうち、4回にわたり会食していた総務審議官の谷脇康彦氏は22日の衆院予算委員会で立憲民主党の奥野総一郎議員の質問に「会食時点で利害関係者がいると思っていなかった。認識が甘かった」などと答弁。
同じく総務審議官で5回会食の吉田眞人氏は「個別具体の許認可での働きかけがあったという記憶はない」と許認可に影響する事柄はなかった旨を強調した。
奥野議員は東北新社執行役員の木田由起夫氏と菅正剛氏らの国会招致が必要だとして、求めた。
立憲民主党の蓮舫代表代行は今回の背景に「(菅総理が総務大臣時代に正剛氏が)総務大臣秘書官を務め、官房長官と総理大臣の長男である正剛氏への官僚の『忖度』ではないでしょうか」とSNSで発信した。
上級官僚の人事を握る「内閣人事局」の欠陥が「忖度」を生んでいる、と制度創設時の意図に反して官邸の顔色を見る官僚が後と立たず、制度の在り方を問う声もある。(編集担当:森高龍二)