ここ数年、急激に注目度を高めている男性向け化粧品・スキンケア市場。化粧品市場全体からすると決して大きくはない市場規模ではあるが、将来性への期待から各メーカーが注力をしている。インテージの調査によると、男性の年間スキンケア購入金額は２０００円未満が７５％、２０００円以上５０００円未満が１７．４％となっており、９０％を超えている。この金額帯の男性が最も購入しているのが洗顔料であり、ついでスキンケア商品、化粧水と続いている。年間５０００円以上をかけている男性は、男性用・女性用にこだわらずに利用している傾向にあるものの、５０００円未満では「男性用」として販売されている商品の中から選択されているのが特徴的となっている。この「男性用」カテゴリーにおいて近時各メーカーが注力しているのが、２０１２年までの３年間で約３倍（見込み）にまで市場を拡大している日焼け止めである。
例えば、ミドルエイジ層の男性向けスキンケアブランド「ＵＬ・ＯＳ（ウル・オス）」を有する大塚製薬は、男性向け「日やけ止め５０」（レジャー用）、「日やけ止め２５」（日常用）の２製品を２月２０日から発売。スキンケア習慣の少ない男性でも使いやすい仕様に徹底的にこだわったという同商品の訴求ポイントには、「白くならない」「肌に心地よくなじむ」「専用の洗顔料不要」「９種類のエッセンシャルオイル配合」など、女性用と何ら変わらない文句が並んでおり、こうしたところからも男性と女性のスキンケアに対する感覚が近づいていることが窺える。
また、「ＯＸＹ」ブランドを要するロート製薬 は、２月１３日から男性向け日焼け止めを３品新発売。塗りにくい背中などにも簡単に塗布できるスプレータイプの「クーリングドライＵＶスプレー」と、汗・水に強い「クーリングドライＵＶローション」の２品はＳＰＦ５０＋、ＰＡ＋＋＋の強力ブロックタイプとなっており、ジェルタイプの「クーリングドライＵＶジェル」は塗っていることを忘れるほどの軽い使用感を訴求ポイントとしている。こちらは、爽快感というキーワードが男性向けであることを特徴づけているようである。
男性の日やけ止め利用者は１４％足らずであることは、いずれのメーカーでもよく引用されているデータである。男性用化粧品市場が急拡大している中で思わぬ低水準であり、各社が飛び付いた形である。この他、ドクターシーラボ が昨年１０月にメンズ市場に参入しており、こうしたところからも続々と商品が市場に投入されるであろう。今はまだ小さな男性向け化粧品・スキンケア市場であるが、今後どこまで成長するのか、注目が集まるところであろう。（編集担当：井畑学）
