日本共産党は20日、新型コロナ感染症対策に関して政府に緊急要請を行った。要請3本柱の1本は「コロナ対策と五輪開催が両立できないことは、いまや明瞭だ」として「五輪開催国の政府として中止すること」を要請。ツイッターで志位和夫委員長は「第1波、第2波、第3波と、感染が減り始めると、検査をはじめ対策も弱まってしまう。それを繰り返してはならない」と提起し「現在の感染状況を踏まえるなら、これから先が大切です。ワクチン・検査・補償の3本柱で『コロナ封じ込め』に全力を!」と訴えている。
政府への緊急要請では「7月のオリンピック開催は全世界から数万人規模の選手・関係者を来日させるなど、感染爆発の大きなリスクがある。また五輪への医師・看護師の派遣、特別な病床の確保など、逼迫している医療体制をさらに危機に追いやる」と指摘し「コロナ封じ込めと命を守る医療への多大な負荷となる」ことを問題視。
そのうえで「国民の命を最優先する立場から日本政府が『中止』の決断をすれば、IOC(国際オリンピック委員会)がそれを覆すことはできない。『主催者はIOC』などという責任回避はやめ、開催国の政府として、中止を決断することを求める」と強く中止を求めている。
このほか(1)ワクチンの安全・迅速な接種のために、実態にそくしたロードマップ(工程)を示し、安定したワクチンの供給と接種を行う自治体への万全の支援という、国の責任を果たすこと。
(2)高齢者施設・医療機関などに対する社会的検査を抜本的に拡充するとともに、無症状者に焦点をあてた大規模検査で感染を封じ込める。(無症状者に焦点をあてた幅広いPCR検査は1日5000件程度にすぎず、効果を発揮していない。10万規模に引き上げ、大規模検査によって感染の封じ込めをはかる取り組みに本腰をいれるべきである)。
(3)自粛要請などで打撃をこうむっているすべての中小企業、個人事業主、労働者に対して十分な補償と生活支援を行うこと。
このほか命を救うために医療機関への減収補填、医療体制への支援強化を図ること(コロナ患者を受け入れている医療機関はもとより、地域医療を共同して支えているすべての医療機関、医療従事者への支援は急務である。緊急包括支援交付金による財政支援の継続・拡充、受診・利用控えによって減収が生じている医療機関・薬局・健診機関、介護・福祉事業所などへの支援を強化する)などを求めた。(編集担当:森高龍二)