トヨタ、完全新型「ランドクルーザー」300系新登場 オンラインで世界初公開

2021年06月13日 08:30

Toyota Landcruiser 300

新型300型系ランドクルーザー、オフロード走行時でもダメージを受けにくい高いランプ位置やバンパー造形など機能美を追求したエクステリア

 トヨタは、新型ランドクルーザーを中東地域中心にしたエリアで、オンラインにおいて世界初公開した。トヨタ・ランドクルーザー生誕70周年を迎える今年、長年にわたる技術の積み重ねと、最新技術の融合により本格派クロスカントリー4WDとしてのトップレベルび素性を刷新し、2021年夏以降世界各地で発売を予定するという。

ランドクルーザーは1951年8月、強力なエンジンを備えた4輪駆動車、TOYOTA BJ型として誕生した。このクルマは自動車として初めて富士山6合目までの登山に成功するなど、厳しい環境で高い走破性を発揮し、その実績も踏まえ、全国各地でパトロールカーとして採用されるようになった。

 そのから、「このクルマに関わる多様な人々に安全と安心を届けることを目標とする」という、モビリティカンパニーへの礎ともいえる70年にわたって続く伝統がスタートした。

 以降、累計約1,040万台、年間30万台以上のランドクルーザーを、世界170の国と地域のユーザーに届けてきた。そうしたユーザーに向け、ランドクルーザーが守り続けている本質が「信頼性・耐久性・悪路走破性」だ。

 端的で有名なランクルの用途に、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」というランドクルーザーへの評価に応え続けるため、トヨタは、世界中の使用実態に基づき、随時、開発・評価の基準をより厳しい方向に定め、ランドクルーザーを鍛え、進化させてきた。

 今回フルモデルチェンジした“300型”系シリーズと呼ぶ新型ランドクルーザーは、2007年に登場した“200系”シリーズの後継となるステーションワゴンタイプ4WD車で、代々ランドクルーザー・シリーズのフラッグシップとして最新技術を導入しながら、クルマとしての進化の道を切り開いてきたモデルだ。

 新型ランドクルーザー開発の狙いは、ランドクルーザーの本質である「信頼性・耐久性・悪路走破性」は、進化させつつ継承。世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現する。これらを念頭に、ランドクルーザーの本質を守る礎であるフレーム構造は踏襲しながらも、TNGAに基づく新GA-Fプラットフォームを採用。軽量化・低重心化、新パワートレーンの採用、内外装のデザインを含めて、長年にわたる技術の積み重ねと最新技術を融合し素性を刷新した。

 新GA-Fプラットフォーム採用で、フレーム自体を新設計し、軽量・高剛性化。フレーム、車体を含めた車両全体の軽量化(約マイナス200kg)・低重心化、重量配分・サスペンション構造の改善等を実施。こうして得られた素性の良さをベースに、「凄腕」「匠」といった社内の熟練テストドライバーやダカールラリー出場ドライバーをはじめとする評価メンバーによる実路走行での作りこみを通じて、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指した。

 なお、伝統の悪路走破性をさらに向上させるため、サスペンションの基本性能(ホイールアーティキュレーション/タイヤの浮きづらさ)向上。E-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)の採用による接地性向上(世界初)、ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できるマルチテレインモニターの採用。走行路面を判定し、自動でモード選択するマルチテレインセレクトの採用などだ。

 さらに新パワートレーンによる、クラストップレベルの動力性能・気持ちの良い走りと、環境性能を両立させた。新開発の3.5リッターガソリンV6ターボ、3.3リッターディーゼルターボV6ツインターボエンジンを採用し、従来型V8エンジンをも超えるクラストップレベルの動力性能とドライバビリティの実現を図ったという。また、環境性能についても、新開発のDirect Shift-10AT(10速オートマチックトランスミッション)の採用ならびにボディの軽量化で、各地域の販売計画と燃費モードによる社内の試算で、従来型との比較で、車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数分で約10%低減できる見込みとなった。

 ちなみに、ガソリンエンジンの出力&トルクは415ps(305Kw)/650Nm、ディーゼルは309ps(227kW)/700Nmである。

外装は、ランドクルーザーのヘリテージを継承し、オフロード走行時のダメージを受けにくい高いランプ位置やバンパー造形など機能美を追求。また、内装は、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。直感操作ができるスイッチ類を機能ごとにレイアウトし、形状や色など操作性を考慮したデザインとすることで、快適性も追求した。(編集担当:吉田恒)