「地元住民の理解を深める努力を継続しながら、 馬毛島への自衛隊施設整備・運用を早急に取り組んでほしい」との要望書を鹿児島県西之表市議会議員らが28日、岸信夫防衛大臣に手渡した。
市議会では「議会として、国の安全保障政策の重要性を十分理解し、防衛省が、現在のわが国を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ取り組まれている、馬毛島への自衛隊施設整備について、賛意を表します」と整備を早急に進めるよう要望する意見書を今月23日の議会で可決した。
同時に(1)施設建設での物品等の調達は地元調達に努め、整備工事・施設の維持においては地元企業の受注機会を確保し、作業員の食料や宿泊は可能な限り西之表市内において調達すること。
(2)施設建設や運用時の作業員や隊員の食料等の調達は地元農水産物を可能な限り使用すること。(3)自衛隊馬毛島基地(仮称)に勤務する自衛官の官舎は馬毛島を行政区に 持つ西之表市に設置すること。(4)馬毛島への通勤のための定期船は西之表港を整備して運用すること。
(5)基地整備後の運用に当たっては訓練の内容や期間等、地元に正確かつ迅速に説明するとともに、訓練による事故・事件についても同様に情報提供を行うこと。西之表市との間に連絡窓口を設置することなど9項目にわたっての要望をまとめた意見書も可決している。
政府は馬毛島に自衛隊の練習を視野に入れた米空母艦載機の陸上型離発着訓練施設を計画。先月、騒音問題への理解を地元民らに深めてもらう一貫として、自衛隊による「F15でのデモ飛行」も行った。(編集担当:森高龍二)