新型コロナ・ワクチン、7割が接種に前向き。若年層ほど消極的、「ワクチンの安全性に疑問」

2021年07月02日 06:51

画・新型コロナ・ワクチン、7割が接種に前向き。若年層ほど消極的、「ワクチンの安全性に疑問」。

アーキテクトが新型コロナ・ワクチン接種の意識調査。全体の70.1%がワクチン接種に前向きだったが、20代と30代の44.0%、40代の40.0%がワクチン接種に消極的。「ワクチンの安全性に疑問」

 日本の新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は先進主要国の中で遅れているとされる。当初、混乱も見られたものの、自治体によっては高齢者以外の接種も開始されるなど、自治体の工夫によってワクチン接種は加速しているようだ。パンデミックの終息は集団免疫獲得が60~80%程度になってからとも言われるが、一部の医学論文では新型コロナでは40%程度で集団免疫獲得ともなり得るという説もある。いずれにせよ、今のところワクチン接種の普及がパンデミックを落ち着かせる唯一の方法と言える。日本においてもワクチン接種が加速しているとは言え、様々な理由から接種を受けない、受けられない者もおり、接種が進むにつれ加速度は落ちてくるであろう。

 マーケティング業のアーキテクト(https://www.architect.co.jp/)が6月中旬に1都3県の20歳以上の600名を対象に「新型コロナ・ワクチン接種に関する意識調査」を実施し、その集計結果レポートを25日に公表している。レポートによれば、全体の7割超がワクチン接種に前向きな回答をしている。内訳を見ると、「すでに2回接種した」が4.3%、「1回接種した」10.0%、「これから接種するつもり」55.8%で、これらを合計すると70.1%となる。

 また、「接種するかどうか悩んでいる」20.2%、「接種しない」9.7%となっており、「接種しない」と決めているのは今のところ1割未満だ。年代別に見ると、「悩んでいる」と「接種しない」の合計は、20代と30代で44%、40代で40%と、若年層ほど全体の29.9%より多くなっている。ワクチン接種に消極的な理由を複数回答で聞いた結果では、「副反応が心配」が77.1%で最も多く、次いで「ワクチンの安全性に疑問を感じる」49.7%、「しばらく様子を見てから考える」45.3%、「急いで作られた感がある」35.2%などが多くなっている。

 65歳以上では「副反応が心配」が100%、「ワクチンの安全性に疑問を感じる」が50%と若い世代より多いか同程度になっている。それでも高齢層ではワクチン接種に積極的だ。やはり、重症化リスクが高い高齢層ではある程度のリスクを覚悟してもワクチン接種をしたいと思っているようだ。

 安全性の高い旧式のワクチンも国産メーカーによって開発が進んでいる。レポートでは、この調査から「今後、ワクチンの安全性や有効性に対する不安を解消することが、ワクチン接種を加速させる有効な手段であることがわかった」としている。(編集担当:久保田雄城)