菅義偉総理は8日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症対策ではコロナワクチンの接種が最も有効策である旨を強調。「ワクチン接種を最優先に取り組んでいる」と語るとともに「ワクチン接種でかつての日常を取り戻すことができる」と強い期待をうかがわせた。
また東京への12日から8月22日までの「緊急事態宣言」決定に関して「東京から全国に飛び火しないように宣言を発出することにした」と理解、協力を求めた。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も「宣言(発出)に賛成した」とし、その主な理由に(1)ここ1~2か月はコロナ対策で最も大切な時期になる(2)インドで最初に確認されたデルタ株への置き換わりが着実に進んでいる(3)高齢者の重症化が確実に抑えられているものの、デルタ株の影響とみられる、40代、50代の重症化が見られ、医療逼迫の蓋然性が高い、と宣言発出の妥当性を語った。
日本経済団体連合会の十倉雅和会長は東京都への緊急事態宣言について「東京都はじめ首都圏では新規感染者数は増加傾向にあり、強い危機感をもって対応すべき局面が続いている。ワクチンが行き届くまでの間の医療提供体制の逼迫を回避するためには、宣言の発出はやむを得ない判断であったと重く受け止めている」とコメント。
そのうえで「今般の緊急事態宣言を最後の宣言とするためにも、この宣言措置期間を有効活用して、政府には、ワクチンの必要量の確保と現役世代への接種を急ぐようお願いしたい」と要請した。
また「今後のワクチン接種を円滑に進めるためにも、政府には、ワクチン接種のロードマップと、接種後に可能となる行動等について、具体的に示していただきたい」との要望も行っている。(編集担当:森高龍二)