日本政府の信頼度急落。自治体は信頼度維持。日本の信頼度ギャップは世界最大~エデルマン調査

2021年07月06日 06:34

画・日本政府の信頼度急落。自治体は信頼度維持。日本の信頼度ギャップは世界最大~エデルマン調査。

エデルマン・ジャパンが世界14カ国の信頼度調査。日本政府に対する信頼度は、コロナ禍で31%へ12ポイントも下落

 菅内閣の不支持率が高止まっている。支持率が大きく低下することはこれまでの内閣でもよくあったことだが、国民が明確に不支持を表明することはめずらしい。NHK世論調査を見ると安倍前内閣でも緊急事態宣言の発出された後の昨年5月以降に不支持率が急上昇している。不支持率の背景にはやはり新型コロナウイルス感染症への対応に関する不満がありそうだ。

 米国のマーケティング・コンサルタントのエデルマンが4月と5月に世界14カ国、約1万6800名を対象に政府や企業に対する信頼度調査を実施、「2021 エデルマン・トラストバロメーター 中間レポート(5月版):トラウマを抱えた世界」として公表された報告書に関し、6月25日、エデルマンの日本法人エデルマン・ジャパンがその日本に関する部分についてレポートを公表している。

 これによれば、このコロナ禍1年で日本国民の中央政府に対する信頼度は大幅に低下したようだ。本調査の結果、日本人の自国の政府に対する信頼度は36%と極めて低い値となった。この値は、コロナ禍以前の2019年秋に実施された調査から7ポイント低下したことを意味する。政府を国(中央政府)と地方自治体に分けて見てみると、中央政府に対する信頼度は、コロナ禍の1年で43%から31%と12ポイントも下落している。一方、地方自治体はコロナ前の49%から今回の47%と2ポイントのみの低下で比較的高い信頼度を維持している。しかし低下したのは今回調査が初めてだ。

 中央政府と地方自治体に対する信頼度を比べると、その差はコロナ禍以前の6ポイントから今回調査の16ポイントへと大幅に拡大している。調査対象国14カ国平均では、中央政府への信頼度は52%、地方自治体は56%と信頼度のギャップはわずか4ポイントで、日本における信頼度のギャップは全調査対象国の中で最大となっており、このコロナ禍1年で日本国政府の信頼度低下の大きさが目立っている。

 さらに、日本の中央政府のリーダーと地方自治体のリーダーに対する誠意と信頼性について調査した結果、このコロナ禍1年で誠意と信頼性が「大幅に低下した」と回答した者は、中央政府のリーダーが33%、地方自治体のリーダーが19%となっており、エデルマン・ジャパンの廣野貴士氏は「特に中央政府のリーダーに対する信頼がこの1年間で大きく失墜していることが分かる」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)