五輪・パラ開閉会式の楽曲担当メンバーのひとり小山田圭吾氏が小中高時代に障がいを持つ同級生に暴行ともいえるいじめを繰り返していたことを巡り「なぜ、小山田氏を選んだのか」と五輪組織委に抗議の声があがっていた事案で、五輪組織委は19日、小山田氏の辞任申し入れを受諾したうえで「多くの皆様に不快な思いをさせたこと、混乱を招いたことを心からお詫び申し上げます」と組織委として正式に陳謝した。
五輪大会組織委は「本日(19日)、オリンピック開会式クリエーティブチームのメンバーである小山田圭吾氏から、東京2020組織委員会に対し、その職を辞任するとの申し出がありました」と説明。
そのうえで「東京2020組織委員会は小山田氏の行為は断じて許されるものではないと考えますが、先日、本件についての反省とお詫びを受け入れ、開会式が迫っているなか、引き続き準備に努めていただくことを表明しました。しかし、これは誤った判断であると考えるに至り、この辞意を受け入れることといたしました」と小山田氏を外すよう求める声が相次ぐ中、留任させた判断は間違っていたと認めた。
五輪組織委は「この間、多くの皆様に不快な思いをさせたこと、混乱を招いたことを心からお詫び申し上げます」と陳謝した。五輪組織委は小山田氏が担当した楽曲は五輪開会式では使用しないとしている。
ネット上では「恐らく、トヨタはこの件を知って、オリパラCM中止の決断をしたと推測する。その他のスポンサーも、組織委員会同様に、今回の件で、見て見ぬふりをしたのは幻滅だ」「障害者いじめを大々的に語っていた人物を起用したことを心からお詫びしてほしいんだけどね」「日本の人権意識に対する世界の信頼を低下させた責任は思い。オリンピックの理念を後退させた組織委は責任を取るべき」と組織委員会の見識を問題視する書き込みが目立っている。
一方、小山田氏のいとこの田辺普太郎氏が「正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました。良かったですねー!」と投稿し、批判を浴びてツイートを削除。「辞任の速報を受け、取り乱して不適切な投稿をしてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪を書き込んだ。
ネット上では、田辺氏への最初の書き込みに対する批判とともに、小山田氏がNHKのeテレ「デザインあ」の音楽制作にかかわっていることから「頑なに小山田を降板させないNHKの姿勢にも疑問が残る」とNHKの姿勢にも飛び火しつつある。理由は「デザインあを見ている子どもたちにとって、今回の騒動も影響するので、良いとは言えないのでは」という視点からのようだ。(編集担当:森高龍二)