ローム、特許庁長官奨励賞を直流-交流変換装置が受賞

2011年11月21日 11:00

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社団法人発明協会が主催する近畿地方発明表彰において、 特許庁長官奨励賞を受賞した半導体メーカー、ロームの 「直流-交流変換装置(特許第3954481号)」技術を 用いたバックライト点灯用インバータモジュール基板。

 半導体メーカーのロームは、社団法人発明協会が主催する近畿地方発明表彰において、同社の発明である「直流-交流変換装置(特許第3954481号)」が特許庁長官奨励賞を受賞した。

 地方発明表彰とは、地域産業を牽引する優れた技術やデザインを生み出した技術者・研究開発者を顕彰するもので、大正10年に創設された歴史ある表彰事業。明治37年の創立以来100年にわたり、一貫して発明の奨励・工業所有権制度の普及に努め、日本の科学技術の進歩・発展に貢献している社団法人発明協会が主催している。受賞はその発明が地域産業に貢献しているかという観点から、全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分けて実施されており、同表彰の歩みは、日本の科学技術進展の足跡といえる

 今回表彰された発明である「直流-交流変換装置」は、液晶テレビ、モニターのバックライト光源で使用されるCCFL(冷陰極管ランプ)を高効率、長寿命で安全に点灯させることが可能な技術。液晶は画面サイズの大型化が進むにつれ、全消費電力の50%から70%を占めるバックライト部分の低消費電力化が大きな課題となっていたが、従来CCFLの点灯には一般的にロイヤー回路が用いられており、入力電圧、出力電流、CCFLの状態変化に対応するには2段の電力変換が必要となるため高効率化が困難だった。同発明の高効率技術により消費電力を20%程度改善することが可能となり、液晶テレビ、モニターの消費電力削減に大きく貢献している。また、CCFLの点灯には1000から2000Vrmsの電圧が必要であり、安全性の確保も重要な課題だったが、同発明によりランプ、セットの状態に応じたPWM制御により高い安全性確保が可能であるとともに、独自の制御方法はランプの長寿命化にも有効となっている。

 なお、特許庁長官奨励賞は積水化成品工業の「導電性高分子ゲル(特許第2812863号)」も受賞している。文部科学大臣発明奨励賞はパナソニックの「3Dデジタル映像の伝送・放送・記録・再生方式 (特許第4618393号)」と、住友電工の「複合磁性材料(特許第4136936号)」が受賞している。