ホンダ、2代目「NSX」の集大成たる「Type S」限定30台、申し込み受付開始

2021年09月01日 06:18

Honda NSX Type  S

限定車のための新色で特別有償色(69.3万円高)のカーボンマットグレー・メタリックに塗られた国内限定30台のNSX Type S

 ホンダは、スーパースポーツNSXの最終限定モデル「NSX Type S(タイプS)」を発表した。

 このNSX Type Sは、これまでNSXを支えてきたすべてのユーザーへの感謝を込めた特別なモデルとして、2021年8月3日に世界初公開したモデルだ。全世界で350台の販売を予定している。

 日本国内においては9月2日からNSX PERFORMANCE DEALERにて購入申し込みの受付を開始し、2022年7月に30台限定で発売予定だ。

 2016年8月に発表した2代目NSXは、卓越した動的性能を持ちながらも、誰もが快適に操れることを目指し、「人間中心のスーパースポーツ」という初代NSXが提案したコンセプトを根幹で継承。ホンダ独自の電動化技術である3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD®(Super Handling-All Wheel Drive)」の採用で、エンジンだけでは達成することが難しい、高いレベルのレスポンスとハンドリング性能を実現した新時代のスーパースポーツ体験(New Sports eXperience)を提案したモデル。

 今回その最終バージョンともいえる「NSX Type S」は、2代目NSXの集大成とすべく、これまでのNSXを超えるパフォーマンスとデザインを追求。ダイナミクス性能では、Type Sの伝統であり、標榜する加速性能やコーナリング性能、そして、空力・冷却性能などを徹底的に突き詰め、「ドライバーとクルマとの一体感」と「操る喜び」を提供・具現化する。デザインは、Type Sとしての空力や冷却性能など、機能的進化を実現する新デザインとした。

 限定となる新色マットカラーや、特別感を演出する専用パーツ、Type S専用ロゴの設定など、スーパースポーツとしての存在感と魅力に磨きをかけた出色のモデルでもある。

 卓越したパワートレーンたる2代目NSXに搭載したSPORT HYBRID SH-AWDは、ミッドシップにレイアウトした3.5リッター V型6気筒ツインターボエンジンに、クランクシャフトと直結したダイレクトドライブモーターと9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)、前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動するTMU(ツインモーターユニット)を組み合わせ、四輪の駆動力を電動で制御するシステムを搭載したハイブリッドシステムだ。

 TMUは、プラスのトルク(駆動力)のみならず、マイナスのトルク(減速力)も自在に制御する高度なトルクベクタリングにより、全速度域での高いライントレース性を実現する。

 今回のType Sでは、エンジンの燃焼効率の向上、高耐熱材ターボの採用による過給圧アップ、冷却性能向上などにより、エンジンのさらなる出力向上を実現。さらにIPU(インテリジェントパワーユニット)のバッテリー出力と使用可能容量を拡大し、システム全体の出力・トルクも大幅に向上させた。また、運転時の高揚感やドライバーとクルマとの一体感をさらに高めるため、エンジンサウンドのチューニングや、減速時などで瞬時に適切なギアにシフトダウンできるパドルホールド・ダウンシフトをホンダとして初採用した。

 2代目NSXの魅力のひとつである、走行シーンに応じて最適な4つの走行モードが選択可能な「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」は、Type S専用にアクティブ・ダンパー・システム、EPS(電動パワーステアリング)の各制御や、「SPORT HYBRID SH-AWD」の駆動配分制御の見直しを実施した。

 選択肢にひとつQuietモードにおいては、EVドライブの加速性能向上と、EV走行領域を拡大した。Sport/Sport+モードでは、全輪の駆動制御や姿勢制御を最適化することで、コーナーのターンインから立ち上がりまで、ドライバーのイメージに限りなく忠実なライントレース性や、加速時の高いレスポンス性を実現。また、Trackモードでは、サーキットでのハイパフォーマンス走行における高いコントロール性や、エンジンサウンドの一体感を向上させるなど、すべてのシーンにおいてNSX Type Sとしての「操る喜び」を具現化した。

 Type Sの国内における販売価格は2794.0万円。特別有償色のボディカラーを選択すると69.3万円の、メタリックパールカラーを選ぶと8.8万円のエクストラチャージが必要となる。(編集担当:吉田恒)