原発への取り組みと防衛、とりわけ「敵基地攻撃能力」保有の是非で、岸田政権と野党連携で樹立をめざす「新政権」との違いが鮮明になっている。国民がどちらを選ぶのか、31日の投開票が注目される。
岸田文雄総理が目指す原発政策は「(原発を)クリーンエネルギーの選択肢として考えていかなければならない」と考えや総理、自民党総裁としての人事に、原発推進派の甘利明前衆院議員を「党幹事長」に、新増設に前向きな梶山弘志前衆院議員を「幹事長代行」に、小型原子炉開発に積極発言の高市早苗前衆院議員を「政調会長」に据えたこと、甘利氏に近い山際大志郎前衆院議員を経済再生担当・新しい資本主義担当大臣に据えたことに加え、原発再稼働・新増設を目指す電事連や日本経済団体連合会とのつながりの強さを浮き彫りにしている。経団連は原発稼働期間「原則40年」の見直し・延長や最長。最長60年に関しても、さらに延長を求めている。
一方、立憲民主党は「原発に依存しない、脱炭素社会の実現」を公約に示し、「原発の新増設は認めない」とするとともに「自然エネルギー立国に向けて、2030年に再生可能エネルギーの電源比率を50%、50年には100%を目指すとしている。そのため電力供給に必要な送電網を政府直轄の事業として整備していく」としている。また日本共産、社民、れいわと共通政策にした項目にも「再エネ拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追及する」ことで合意している。
一方、防衛では、敵基地攻撃能力保有に、最近特に前向き姿勢なのが岸田総理。相手国の領域で敵基地攻撃をミサイル発射前に行えば、専守防衛の立ち位置との関係とともに先制攻撃と国際社会でみられる可能性がある。しかし、岸田総理は19日の国家安全保障会議で「いわゆる敵基地攻撃能力保有も含め、あらゆる選択肢を検討するよう、本日、確認した」と積極姿勢になっている。
立憲民主党の枝野幸男代表は「自衛隊が自前で獲得する能力としては現実的でないというのが専門家の圧倒的指摘」(9月24日の記者会見)と保有に否定的。ミサイル防衛能力の向上を図ることで対処する考えを示すとともに、日米安保による役割と日米相互の信頼関係構築による防衛力向上をあげた。(編集担当:森高龍二)