野田佳彦総理は日米首脳会談でTPP交渉参加にむけて関係国と協議に入る意思を伝えた際に「すべての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると語った」とするアメリカ側の報道発表に対し、16日開かれた参議院予算委員会で木庭健太郎公明党参議院幹事長からアメリカ側に訂正を求めるよう提起されたが「言っていないことが確認されている」として、「訂正を求めることはしない」と改めて求めない意向を示した。
木庭議員は「アメリカ報道官は訂正する予定はないといっている。事実でないというなら訂正させるのは当たり前。こんな訂正も出来ないで、これからアメリカと(TPP交渉参加に向けて)交渉できるのか」と迫った。
野田総理は「TPP交渉参加にむけて関係国と協議に入るということ、高いレベルの経済連携を推進していくことを日米首脳会談で伝えた」が、アメリカ側は昨年秋に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針で「広域経済連携についてはセンシティブ品目(重要品目)について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交渉対象とし、交渉を通じて高いレベルの経済連携をめざす」とする部分で「センシティブ品目について配慮を行いつつの部分を切り取って表現した」として「切り取っているのは問題なので、相手方に申し上げた」とアメリカ側に伝えた旨を答弁。対外的には「関係国と協議に入っていく時に説明していく」として、この件に関して、アメリカ側に訂正を求めない姿勢を変えなかった。
木庭議員は「HPに残ったままではまずいと思う」と指摘し「訂正を求めることからやって頂きたい」と再度求めた。報道資料がそのまま事実として一人歩きする可能性も高く、訂正されないことに懸念の声も多い。(編集担当:福角忠夫)