麻生氏の言葉、道民として悲しい思い

2021年10月28日 06:28

 地球温暖化の危機感の希薄さと地域の付け焼刃的知識を露呈した自民党の麻生太郎副総裁発言に批判の声があがっている。ネット上では「麻生氏の言葉、道民として悲しい思いをしました。まったく観点がずれています」などの声があがっている。

 自民党の麻生副総裁は北海道での応援演説で「温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなったろ。北海道米は、昔は『厄介道米』と言われてたじゃないの。それなのに今はコシヒカリだ、コチピカリだ、おぼろづきとか名前をくっ付けて金賞とって」と地球温暖化が悪影響ばかりでなく、利点もあったという意味にとられかねない発言をおこなった。

 これには立憲民主党から衆院選に出馬している地元候補が「北海道で美味しいお米が作れるようになったのは、農家さんの苦労や品種改良による日々の努力の賜物だ」と反論。「温暖化の一言だけで道民が積み上げた結晶を潰すような発言には強く憤りを感じます」とツイッターに投稿した。

 またコメの銘柄や受賞内容についても、麻生副総裁から飛び出した付け焼刃的知識からの発言に、この立憲候補は「麻生さん(銘柄は)『コチピカリ』ではなく『ゆめぴかり』です。(受賞したのは)『金賞』でなく『特A』です。しっかり覚えて帰ってください」と酷評した。

 松野博一官房長官は26日の記者会見で、麻生副総裁の発言に「発言の詳細を承知していない。政府としては、コメントは差し控えたい」と発言への受け止めを示さなかった。そのうえで「10月22日に閣議決定した『新たな気候変動適応計画』で、すでに全国で気温の上昇によるコメの品質低下などの影響が確認されている旨が記載されている」とし「気候変動への緩和策、適応策に取り組んでいく」とした。

 ネット上では「コシヒカリ(農林100号)すら農林1号から開発するのにどれだけの苦労があったか知らないんだろうなあ」「北海道のコメ。この一文だけみると温暖化の恩恵を受けていると言いたいのだろうか」「品種名を挙げておいて気温が2度上がったらから美味しくなったとか放言したようですね。そうではなくて、その品種を作るために努力した方々のおかげです。その努力を踏みにじるようなこと言うたらあかんと思う」などの声が相次いでいる。(編集担当:森高龍二)