岸田文雄総理は「マイナンバーカード」の普及が「社会全体のデジタル化を進めるための最も重要なインフラ」などと6日の臨時国会での所信表明演説で強調した。政府はマイナンバーカードを来年度末までにほぼ全国民に普及させたい意向。ただ個人情報保護の観点など政府の情報管理に対する不信感もあるとみられ、行政の精力的取組みの中でも、11月16日時点で5003万枚にとどまっている。
岸田総理は所信表明演説で「12月20日から、マイナンバーカードを使い、スマートフォンによって、国内外で利用できるワクチン接種証明書を入手できるようする」と利便性をあげるとした。
また「マイナンバーカードは安全安心なデジタル社会の『パスポート』」との表現も使い「マイナンバーカードと健康保険証、運転免許証との一体化、希望者の公金受取口座の登録を進めるとともに、本人確認機能をスマートフォンに搭載することで、利便性を向上させる」とした。
政府は今後、カードを普及させるためにカード発行の申請をすれば5000ポイント(5000円に相当)、健康保険証との紐づけで7500ポイント、預金口座との紐づけで7500ポイント、合計最大2万ポイントの付与策でカード申請を啓発する。
岸田総理は「デジタル臨時行政調査会でデジタル社会変革の青写真をえがく」とし「まず、関係省庁が順守すべきデジタル原則を決める。その枠組みの下で、来春には規制や制度、行政の横断的な見直しを一気に進めるプランを取りまとめる」と述べた。(編集担当:森高龍二)