岸田文雄総理は19日の衆院本会議(国務大臣の演説に対する代表質問)で「選択的夫婦別姓」「同性婚制度」の導入に関して、党議拘束を解除して、審議・採決することを提案され、「党議拘束は各党で判断することであり、総理として答えるのは控えたい」と自民党総裁としての答弁も回避した。
そのうえで、岸田総理は「選択的夫婦別姓制度については、現在でも国民の間に様々な意見がある」として「しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要がある」と、幅広く国民に理解を得ている状況に至っていないとの認識を示した。
さらに同性婚制度の導入に関しては「我が国の家族の在り方の根幹にかかわること」として「極めて慎重な検討を要する」とハードルの高さを示唆した。
この日、立憲民主党の小川淳也議員は「婚姻制度の見直しについてお聞きします。結婚にあたって姓の統一を強制するわが国の婚姻制度は、もはや先進国に例を見ないほど、極めて家父長的、前近代的なものと言わざるを得ません。合わせて同性婚の問題についても、そろそろ国会は答えを出さねばならない」とすでに結論を得る時期にきている、と総理の見解を求めた。
そして「与党内に反対派が多数おられることはよく承知の上で、総理にご提案する」として「かつて子どもへの臓器移植を議論したときと同様、例えば各党が党議拘束を解除し、それぞれの議員の良心と良識に委ね、法案の審議、採決を行うことも検討に値すると思われますが、総理のお考えは」と質した。岸田総理はこれに答えたもの。(編集担当:森高龍二)