政府はエネルギーの需給構造の転換を後押しすると同時に安定的なエネルギー供給を確保するための制度整備に省エネ法のエネルギー定義の見直しや非化石エネルギーへの転換を促進するための措置の新設、脱炭素燃料や技術への支援強化を図るための法改正などを行うため、開会中の今国会に法案を提出する。
このうち高度化法では水素やアンモニアを非化石エネルギー源に位置付けることや火力発電であっても二酸化炭素の回収・貯留技術(CCS)を備えたもの(CCS付き火力)を法律上に位置付け、利用を促す方針。
また省エネ法ではエネルギー使用の合理化対象に非化石エネルギーを追加。工場等で使用するエネルギーについて、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換(非化石エネルギーの使用割合の向上)を求めることとし、特定事業者等に対し、非化石エネルギーへの転換に関する中長期的計画の作成等を求める。
また再エネ出力制御時への電気需要のシフトや需給逼迫時の需要減少を促すため、現行の「電気の需要の平準化」を「電気の需要の最適化」に見直し、電気を使用する事業者に対する指針の整備を行うとしている。電気事業者に対して、電気需要の最適化に資するための措置に関する計画(電気の需要の最適化に資する取り組みを促すための電気料金の整備等に関する計画)の作成も求めることにしている。(編集担当:森高龍二)