日本人の消費選択は保守的。「同じ商品・サービスをリピート」5割強、「情報収集に時間かけない」5割弱

2022年03月29日 06:14

画・日本人の消費選択は保守的。「同じ商品・サービスをリピート」5割強、「情報収集に時間かけない」5割弱。

NTTデータ経営研究所が「買い物における『こだわり』に関する意識調査」。こだわりのない商品に関しては、54%が「同じ商品等を購入」と回答

 近年、「モノ消費」から「コト消費」の時代へ移行していると言われる。「コト消費」とは商品やサービス自体から得られる体験・満足のみでなく、商品やサービスの選択過程からアフターフォローまでの広い体験全体に価値を見いだし消費する事だという。「コト消費」は特定の商品やサービスに「こだわり」を持つことでもあるとも言えるが、多くの商品・サービスに「こだわり」を持つ者は少なく、多くの場合は安価な同一の商品を吟味せずにリピート購入するという保守的な消費行動が多いようだ。

 3月17日、NTTデータ経営研究所が「買い物における『こだわり』に関する意識調査」(調査期間:2021年12月下旬、対象:国内20歳以上の男女、有効回答:1078名)の結果レポートを公表している。これによれば、何らかの商品・サービスの購買に「こだわりがある」との回答は64.5%と6割超の者が「こだわりのある」商品・サービスがあるようだ。「こだわり」のある者は年齢層が上がるにつれて増えて行き、20代では49.5%であったものが70代では74.4%までになっている。「こだわりのある」商品の種類は、「衣類・ファッション」が53%で最も多く、「食品」47%と続いている(複数回答)。購買の体験に価値を感じる者は、20代で77.1%と若者層ほど高く、60代では47.9%と年齢が上がるにつれ低下している。

 「こだわりのある」商品については、「時間を気にしない」44.0%、「高くても購入」43.5%、また商品選択については「時間をかけ情報を調べる」77.4%などとなっており、これに関しては十分時間をかけ吟味し、価格を気にせず購入しているようだ。一方、「こだわりのない」商品については、「現在利用しているものと同じ商品・サービスを購入する」が53.8%と半数超え、また「できるだけ価格が安い商品・サービスを買う」が46.2%とやはり半数近くで多くなっている。さらに商品の選択についても「情報収集に時間をかけない」が47.7%で、「複数店舗を回らない、オンラインショップで購入」は3割近くになっている。

 本調査の結果からは、「こだわりのある」者が「こだわりのある」商品を購買する際は「コト消費」に積極的だが、そうでない場合は習慣や安さが商品選びのポイントとなっているようだ。レポート内でも指摘されているように消費者や商品の属性によってマーケティング戦略も異なってくると言えよう。(編集担当:久保田雄城)