岸田文雄総理は7日記者会見し、エネルギー市場の安定化を図るため、備蓄の中から、1500万バレルを放出すると発表した。1978年の国家備蓄制度が始まって以来、初めて国家石油備蓄の放出に踏み切ることになる、と語った。
放出量は米国の6000万バレルに次ぐ規模になるという。岸田総理は「先週のIEA(国際エネルギー機関)閣僚会合を受けて1億2000万バレルの石油備蓄放出が決定された。日本としても、萩生田光一経済産業大臣が米国など関係国と精力的に調整を行い、IEAの割当量の1.5倍の1500万バレルの備蓄を放出することとした」と述べた。
岸田総理はそのうえで「エネルギー市場の安定化は重要であり、引き続き産油国への働き掛けに努めるとともに、日本としてできることを前倒しで取り組んでいきたい」との考えを強調した。
また、ウクライナ情勢への対応について「ウクライナのキーウ(キエフ)近郊において、後ろ手に縛られ命を奪われた市民の御遺体が多数、路上で発見されるなど許し難い行為が次々明らかになっている。無辜(むこ)の市民を殺害するということは戦争犯罪であり、ロシアの責任は厳しく問われなければならない。侵略、さらに戦争犯罪、これは許してはならない」と非難。そのうえで「こうした思いを我が国として、厳しい行動で示していきたい。具体的な内容については、今、G7とも調整中ですので、明日(8日)以降、できるだけ早く明らかにしていきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)