東南アジア訪問中の岸田文雄総理は1日、ファム・ミン・チン・ベトナム社会主義共和国首相と会談。来年の日越外交関係樹立50周年に向けて実行委員会を立ち上げ、来年が両国の新たな時代を切り開く節目となるよう緊密に連携していくことで一致した。
岸田総理は「ベトナムは自由で開かれたインド太平洋を実現する上で要となる重要なパートナー。(ロシアによるウクライナ侵略行為を背景に)世界が国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っている中、チン首相と共に、両国の連携をこれまで以上に強化したい」旨を伝えた。
また人事交流を巡って岸田総理は「技能実習生を巡る失踪、不法残留、悪質ブローカーの介在等は深刻な問題」と指摘。そのうえで「今般、技能実習生等の送り出しに関するプラットフォームの構築について合意したことを歓迎する」とし「チン首相の力強いリーダーシップに期待を示した。
また安全保障に関して、岸田総理は「ベトナム軍へのサイバーセキュリティ能力構築支援等を通じた防衛協力や海上保安能力向上のために協力を強化していく」ことも伝えた。
ウクライナ情勢に関して、外務省によると両国首脳は「国際法及び国連憲章の基本的な原則、特に独立・主権や領土の一体性を尊重する原則が守られなければならないことを確認。即時停戦と人道支援の重要性について一致し、大量破壊兵器による威嚇や使用、国際人道法に反する民間人や民生施設の攻撃への反対でも一致した」。(編集担当:森高龍二)