過重な基地負担を強いられ続けていると玉城知事

2022年05月16日 14:28

 沖縄県の玉城デニー知事は15日、政府と共催での「沖縄県復帰50周年記念式典」であいさつし「先の大戦においては凄惨極まる地上戦により、20万人を超える尊い命だけでなく、貴重な文化財や県民の財産のほとんどが失われるなど、県民は耐え難い苦難を経験した」と振り返った。

 そして「1972年の復帰から5次にわたる沖縄振興計画等により、社会基盤の整備等によって、本土との格差は縮小され、社会経済は着実に進展した」ことを語った。一方で「1人あたりの県民所得は全国平均の水準に達しておらず、自立型経済の構築はなお道半ば。こどもの貧困や離島の不利性、脆弱な産業構造など、依然、克服すべき多くの課題が残されている」状況も語った。

 そのうえで、基地問題に触れ「復帰から50年経った現在も、我が国国土面積の0.6%に過ぎない沖縄県の全国の在日米軍専用施設面積の70.3%が集中し、米軍人・軍属による事件・事故・騒音・環境汚染等、県民は過重な基地負担を強いられ続けている」と基地負担の軽減を求めた。

 玉城知事は特に、政府などに先に提出した「建議書」に触れ「沖縄県民が渇望し続けている沖縄の本土復帰の意義と恒久平和の重要性について、国民全体の認識の共有を図っていただき、すべての県民が真に幸福を実感できる『平和で豊かな沖縄』の実現に向けて、誠心誠意取り組んで頂きますよう、申し上げます」と政府に強く要請した。(編集担当:森高龍二)