岸田文雄総理は24日、日米豪印首脳会合議長国として記者会見し「4首脳間で、ウクライナ情勢がインド太平洋地域に及ぼす影響について率直な議論を行い、インドも参加する形で、ウクライナでの悲惨な紛争について懸念を表明し、法の支配や主権及び領土一体性等の諸原則は、いかなる地域においても守らなければならないことを確認した」と冒頭に語り、強調した。
またインフラ分野ではインド太平洋地域において、今後5年間で500億ドル以上の更なる支援、投資を目指していくことを発表。債務問題に直面する諸国の能力強化に取り組むことで一致した、とした。
また岸田総理は「インド太平洋地域は自然災害が多く、気候変動等に脆弱な国が多い地域。今回、宇宙分野で4か国が保有する衛星情報を地域諸国に提供する取り組みを立ち上げた。防災、気候変動対策、海洋資源の持続可能な活用等を含め、様々な目的に活用できるものだ」とした。
また記者団からQUAD首脳会合の大きなテーマの1つは中国への対応と思うが問われ「強調しておかなければいけないことは、日米豪印の枠組みは『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて、様々な分野で実践的な協力を進めるために幅広く議論を行う場であり、特定の国を対象にしたものではない。これを今一度確認しておかなければならないと思う」と中国への刺激には配慮した。
そのうえで「日米豪印においては今後も『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた実践的な協力を進めていく、具体的な結果を積み重ねていきたいと思っている。大きな認識として共有できる考え方を確認するような率直な意見交換はこれからも続けていきたい」と記者団の問いに答えた。(編集担当:森高龍二)