日本の米国、カナダへの食料依存率は34%

2022年06月22日 07:01

 農林水産省は21日、食料の安定供給に影響を及ぼす可能性のある様々な要因(リスク)を洗い出し、包括的な検証を行った「食料安全保障に関するリスク検証(2022)」を公表した。米国、カナダへの食料依存率は34%になっている。

 国内の2020年度の食料自給率(カロリー換算)は37.2%と前年に比べ0.03ポイント改善したが、低空飛行を続けている。国産と輸入4か国(米国22.6%、カナダ11.4%、豪州7.8%、ブラジル5.6%)で84.6%を占める状況。

 輸入に関しては「価格高騰リスクは輸入割合の高い主要品目のうち、飼料穀物等では顕在化しつつあり『重要なリスク』とした。また、小麦、大豆、なたねでは、その起こりやすさは中程度だが影響度が大きいことから、こちらも『重要なリスク』と評価している」。

 国内生産では「農業従事者の減少に伴う労働力不足(常時・臨時雇用、外国人労働者等も含む)や後継者不足による生産基盤の脆弱化等、特に労働集約的な品目(果実、野菜、畜産物等)を中心にリスクが高まっているか、顕在化しているとしてとした」。

 日本の食料自給率は1960年度(79%)を以来、下降を辿り、ここ10年、3割台で推移。農水省は「今回のリスク検証結果を踏まえ、現行の食料・農業・農村基本法に基づく食料安全保障に関連する施策全般について、更に検証し、必要な施策等を検討していく」とした。(編集担当:森高龍二)