新型コロナ『第5派』の主流となった日本国内で独自に進化したデルタ株の亜種(AY.29)を、東京オリンピック・パラリンピックを開催したことで、世界に広げる結果になったことを東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター(センター長・井元清哉教授)が突き止めた。4日発表した。
井元教授は東京オリンピック・パラリンピックの開催時期に日本から海外に広まった「AY.29」デルタ株の動態について、昨年7月~今年1月までの世界中のウイルス遺伝情報を解析し、発生源を調べた結果「東京やその周辺地域から拡散したと考えられることが分かった」としている。
井元教授は「本大会によるAY.29デルタ株の海外への拡散の寄与について、否定することはできなかった」としている。
日本で変異した亜種(AY.29)はアメリカ、イギリス、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、ペルーなど世界20の国や地域で確認された。少なくとも55の独立した株が海外に流出したとしている。
井元氏らは「大規模イベントにあわせて、新型コロナウイルスがどのような感染拡大を辿ったかを科学的に知ることは新型コロナウイルスに限らず、今後のパンデミックにおける国際的な大規模イベント等の対策の最適化に繋がる」とみている。
このニュースに日本共産党の志位和夫委員長は4日「こうした事態が起こる可能性は日本共産党が東京五輪に反対する理由として強く警告してきた」とツイッターで発信。「政府として事実の検証を行い、内外に明らかにすべき」と検証を行うよう求めた。コロナ禍でもオリンピック・パラリンピックを開催し、AY.29デルタ株を拡散させた国の責任として実施のうえ、結果を公表すべきことなのだろう。(編集担当:森高龍二)