「停電時は復旧まで我慢」が8割。わが家の防災、本当に大丈夫?

2022年09月01日 09:21

防災・住生活調査画像 (1)

積水ハウスは、自宅における防災対策普及を目的として「自宅における防災に関する調査(2022年)」を実施

 9月1日は防災の日。そして8月30日から9月5日は防災週間。年に一度のこの機会に、自宅や職場の防災対策を見直しておきたいものだ。

 気象庁のデータベースによると、2021 年に日本国内で発生した震度1以上の地震発生回数は2424 回。その内、54回が震度4以上を記録している。また、台風は1年間に平均26.4個発生し、その内11.5個の台風が日本に接近、3個が日本に上陸している。さらに近年では、日本全国でゲリラ豪雨が問題となっており、2021年は全国でおよそ6万回以上も発生していたが、今年はさらに昨年比1.4倍ものペースで発生が確認されている。地球温暖化による猛暑の影響などもあって、豪雨は過去5年平均比1.9倍で発生回数が増えていることから、台風以上に警戒が必要な、身近な自然災害といえるかもしれない。

 そんな防災の日に向けて住宅メーカーの積水ハウスの住生活研究所が、自宅における防災対策普及を目的として、全国の20~60代の男女計500名を対象に「自宅における防災に関する調査(2022年)」を実施した。コロナ禍前後の防災意識や行動の変化について調査を行っており、コロナ禍で話題に上がることが多くなった「在宅避難」に関する防災意識をはじめ、もしもの備えにつながる4つの「幸せTips」などが紹介されている。自宅や職場の防災を見直す際に役立つのではないだろうか。

 同調査結果を見てみると、85.6%の人が自然災害について不安を感じていて、そのうち94.9 %の人が「地震」に不安を感じると回答している。

 災害発生時の身近な問題として「停電」があるが、同調査では、およそ3人に1人が自宅で行いたい防災対策として「災害時の電力確保」と回答しているにもかかわらず、実際に「災害時の電力確保」を行っている人はおよそ10人に1人に過ぎなかった。しかも「自然災害による停電」を経験している239人のうち、85.4%の人が、停電時に行った行動は「自宅で電力が復旧するまで我慢」と回答していることからも、多くの家庭で停電時の行動計画も含めた対策があまりできていないのではないかと推測できる。

 また、373人が災害発生時に「避難所へ行くことに抵抗がある」と回答しているが、その理由としては「プライバシーがないから」と回答した人が72.7%で、「新型コロナウィルス感染症の懸念」の60.9%よりも多いことから、同社ではコロナ禍が収束した後も「在宅避難」の需要は続きそうだと予測している。ところが、その一方で、マスクや除菌シートなどの感染予防グッズをはじめとする衛生用品の備蓄は十分な一方、飲料水や非常食、防災備蓄品の備蓄は1~3日分のみの用意が過半数という結果が出ているのも興味深い。その背景には、いつ起きるかわからない自然災害の対策に費用をかけることや、賞味期限がある備蓄をすることに抵抗感があることが伺える。

 積水ハウスではこれらの調査結果を踏まえ、自宅における防災対策4つの「幸せTips」として、「(1)停電対策は日常の暮らしから」「(2)雨水タンクで災害時に必要な『水』を確保」「(3)食べながら買い足す『ローリングストック法』」「(4)家具のレイアウトや収納の工夫」という、普段の生活の中で実践できる防災のヒントを同社のホームページなどで紹介している。読んでみると、日常的に始められる対策もあり、災害時のもしもの備えとして役立ちそうだ。災害はいつ起こるかわからないし、明日、その被災者になるかもしれない。もしもの時に安全と安心を確保できるよう、防災の日、防災週間に今一度、家族や職場で防災対策を見直したいものだ。(編集担当:藤原伊織)