政府は総額35兆9895億円の補正予算案を閣議決定した。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に18兆6059億円。未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動に8兆2532億円。防災・減災、国土強靱化の推進などに2兆9349億円を計上した。経済対策関係経費としての合計額は31兆5627億円になっている。
未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動につけた8兆2532億円の内訳では、科学技術立国の実現として、大学ファンドに6111億円。ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業に1100億円。宇宙分野の研究開発の推進等に933億円。蓄電池の国内生産基盤の確保に1000億円。経済安全保障に先端半導体の国内生産拠点の確保に6170億円、経済安全保障重要技術育成プログラムに2500億円を付けた。
分配戦略では子育て世帯に対する給付に1兆2162億円、労働移動の円滑化・人材育成の強力な推進に640億円、看護、介護、保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入の引上げに2600億円、保育・放課後児童クラブの受け皿整備に618億円を計上した。
一方、変化する国際情勢への即応的な対応に必要などとして自衛隊装備品の強化に7354億円も計上された。日本共産党は「安倍政権以降、補正予算で大規模な自衛隊装備に予算をつけることが常套手段になっている。補正予算の趣旨から逸脱している」として問題提起している。本来、年度当初予算に入れておくべきで、防衛費拡大イメージを抑制する狙いから補正予算時に組み込んでくるのではないか、との批判もある。(編集担当:森高龍二)