ホンダ、新型「CIVIC TYPE R」発売、VTEC TURBOに磨きを掛けピュアスポーツ性能を追求

2022年09月03日 18:02

Honda CIVIC TYPE R

Honda CIVIC TYPE R、243kW(330ps)/6500rpm、最大トルク420Nm(42.8kg/m)/2600-4000rpmのK20C型・DOHC VTEC TURBOをフロントフード下に収め、冷却性能向上のためにフロントグリル開口面積を拡大した

 ホンダが、やっと云うか、ようやくと云うか、待ちに待った新型「CIVIC TYPE R」を9月2日に発売した。発売に先駆け、2022年7月21日に世界初公開された新型シビックTYPE Rは、すでに期待の声で迎えられている。新型の価格は499.73万円だ。

 新型シビック TYPE Rは、スポーツモデルの本質的価値である「速さ」と官能に響く「ドライビングプレジャー」を両立させることが出来る究極のピュアスポーツとしての性能を目指して開発した。Honda自慢のK20C型・1995cc直列4気筒DOHC VTEC TURBOエンジンに磨きを掛けることで、出力とトルクを向上させるとともに、運転に夢中になることができるような痛快なドライビングフィールを追求したという。

 先代モデルからキャリーオーバーした2.0リッターVTEC TURBOエンジンの骨格をベースに、ターボチャージャーの刷新などにより、最高出力は243kW(330ps)/6500rpm、最大トルクは420Nm(42.8kg・m)/2600-4000rpmへと向上させた。

 ドライバーのアクセルワークに忠実に追従させるため、エンジンECUの駆動力制御マップなどに緻密な設定を行ない、アクセルペダル開度に対しエンジンレスポンスを向上させ、トルクも早期に立ち上がり、アクセル操作に対する駆動力応答性を全域で高めた。組み合わせたトランスミッションはもちろん6速マニュアルだ。

 その6速マニュアルは、究極のシフトフィールを目指し、新設計のシフトレバー構造を採用。レバーの高剛性化と横方向のレバーのガタつき要素を排除し、ダイレクト感と節度感を向上させた。また、トランスミッション内部のシフトリンク機構の最適化や、シフトゲートのストレート部分を延長することで、5速から4速といった斜めシフト時のスムーズ感を向上し、すっきりとした操作感に磨き上げた。

 シフトフィールの進化にあわせてクラッチのフライホイールを軽量化し、レスポンス向上を実現。それにより、減速操作に合わせてエンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムは、エンジン回転数差が最も大きい2速から1速へのシフトダウンにおいても適用するように進化した。

 加えて、TYPE R専用のデータロガー「Honda LogR(ホンダ ログアール)」を搭載しクルマの機械的な運動情報などをリアルタイムに伝えることで、新たなドライビングプレジャーを提供する。

 冷却性能向上のためにフロントグリル開口面積を拡大し、ラジエーターの有効開口面積を先代比で48%拡大した。さらに、グリル開口部から取り込んだフレッシュエアをコアサイズとファン能力を向上させたラジエーターに効率良く通し、ボンネットに設けたフードベントから排出するエアフロ―レイアウトとし、排熱と空力性能を向上した。

 ボディサイズは全長4595mm×全幅1890mm×全高1405mm、ホイールベース2735mmとBセグメントの欧州車と較べても小さくない。

 足元は旋回性能を高め車両パフォーマンスを向上させるため、ミシュランとTYPE R専用チューニングタイヤを共同開発した、265/30ZR19 93Y規格のミシュランパイロットスポーツ4Sを装着。タイヤ幅を265mmまで拡げるとともに、ミシュランの独自技術による特性の異なるトレッドコンパウンドを組み合わせ、ウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま、優れたドライグリップ性能を実現した。

 19×9.5Jサイズのホイールは、通常に対してインナーとアウターのリム形状を反転させた「リバースリム構造」を採用。ホイールイン側の歪みを低減し、旋回Gや加減速時にタイヤ内側の接地圧を安定させ接地性向上を目指した。

 サスペンション形式は他のシビックと同じ前ストラット、後マルチリンクだが、TYPE Rとして細部まで熟成を図るとともに、足まわりの支持剛性を高めた。4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御は、車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールするロール・ピッチ制御に、バネ下加速度を加えた制御を行なうことで、荒れた路面でも優れた運転操作によるクルマとの一体感とダイレクト感のあるハンドリングを実現した。ブレーキはフロントにBrembo製ベンチレーテッド350mmφの2ピースディスク&キャリパーとし、ストッピングパワーにも抜かりはない。

 ピュアスポーツとはいえ先進の安全運転支援システムに抜かりはない。「Honda SENSING」を標準装備し、広い範囲と高い精度で対象物を検知するフロントワイドビューカメラや、ガラスや外壁など非金属も高い精度で検知する前後ソナーセンサー、リアのレーダーを採用した。(編集担当:吉田恒)