寺田稔総務大臣は13日も記者会見で、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会から東京五輪関連番組に重大な倫理違反があったとNHKに対し意見書が出されたことを受けて「NHKには再発防止にきちんと取組んでいただく必要がある」と厳しく念押しした。
この問題はNHKが昨年12月26日にBS1で放送したスペシャル番組で河瀨直美監督が制作した「河瀨直美が見つめた東京五輪」で新型コロナウイルス感染症の感染拡大を懸念して東京五輪の開催に反対する人たちのデモに関し、参加者が金銭を受けて参加しているような、デモを著しく貶める「事実と異なる報道」を行った。
寺田大臣は「遺憾に感じる」と遺憾の意を表明。そのうえで「NHKにおいては公共放送としての社会的責任を深く認識し、今回のBPOの指摘を真摯に踏まえ、再発防止に全力で取組んでいただきたい」と求めた。
寺田大臣は「NHKとしては既に過去の事例等も踏まえ、再発防止策として各局におけるチェック体制の強化とか、重層的なコンプライアンス確保の取組みなども再発防止策として打ち出している。それにきちんと取組んでいただく必要がある」と厳しく指摘した。
NHKは「取材・編集・試写の各段階で問題があった」とし「基本的姿勢を再確認し、視聴者の信頼に応えられる番組を取材・制作していく」とコメントを発表している。(編集担当:森高龍二)