丸紅が中国社と共同でカナダ炭鉱運営会社を買収

2011年11月02日 11:00

 丸紅は、中国のウィンズウェイ・コーキングコール・ホールディングス・リミティッド(Winsway Coking Coal Holdings Limited、以下「Winsway社」)と共同で(2社をまとめて「コンソーシアム」)、カナダ炭鉱運営会社のグランド・キャッシュ・コール社(Grande Cache Coal Corporation、以下「GCC社」)の全株式を、丸紅が40%、Winsway社が60%出資し設立する新会社を通じて、カナダ法上認められている友好的企業買収手法であるプラン・オブ・アレンジメントの手法により、現金にて取得することでGCC社取締役会と合意した。

 同アレンジメントがGCC社株主によって承認された場合、その他要件が充足されることを条件として、GCC社普通株式1株あたり10.0カナダドル(約778円)、総額約983百万カナダドル(約765億円)で全株式を今年度第4四半期中に取得する予定だという。

 GCC社が操業するグランド・キャッシュ炭鉱(以下、「GC炭鉱」)は、製鉄コークス原料用炭(以下、「原料炭」)に分類される強粘結炭の数少ないカナダ供給炭鉱として、1969年以来、長年操業を続けている。丸紅はGC炭鉱からの石炭取引に関し、40年以上の長きに亘り日本の鉄鋼メーカーのエージェントであると共に、2004年以降は対日独占販売権をGCC社から獲得。GC炭鉱は現在年産2百万トンであり、今後は3億トンを超える豊富な埋蔵量に下支えられた拡張を計画している。

 昨今の新興国の粗鋼生産増加に伴い、強粘結炭は恒常的な供給不足にあり、同炭種の需要は今後一層強まることが予想される。今回、丸紅が買収した狙いとしては、同炭種の供給炭鉱が豪州に偏在している中、カントリーリスクが低く、輸送インフラも整備されている豪州以外の供給ソースを確保することが、日本への安定供給に貢献すると共に、同社の将来的なカナダにおける炭鉱事業拡大の基盤を築くことにもなると考えているからだろう。