岸田文雄総理は学校での性教育について5日の衆院本会議で立憲民主党の泉健太代表に答え「自民党で国民や専門家などの様々な意見を聞き、丁寧な議論が積み重ねられてきたと承知している。学校での性に関する指導については個々の生徒間で発達段階の差異も大きいことなどから全ての生徒に共通に指導するべき事項ではないと『学習指導要領』に設けられているが、一人ひとりの児童生徒の発達段階を踏まえつつ、指導の充実に努めていく」と答弁。
岸田総理は学習指導要領にある性教育の『はどめ規定』を撤廃するとは答えなかった。また世界平和統一家庭連合(旧統一教会)から自民党が影響を受けたとの認識はあるかの問いに正面からの否定はなかった。総理答弁のように、教育現場で一人ひとりの児童生徒の発達段階を踏まえた性教育が実施できるのか、実践論からすれば、誰が指導するのかも含めて疑問だらけの答弁になった。
泉氏はこの日「必要なことを正しく教えることで、児童生徒の性被害や予期せぬ妊娠を防げる。また将来の妊娠や出産への向き合い方を学ぶことができる。しかし2000年頃から、一部の政治家や宗教団体関係者から、性教育やジェンダー教育への強烈な『バッシング』が始まり、2005年には自民党に安倍晋三議員を座長とする『過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム』が批判を強めた」と学校での性教育に関しバッシングが始まった経緯を取り上げた。
当時、党幹事長だった安倍元総理がチーム座長をつとめ、旧統一教会が安倍元総理と並び重要人物として挙げていた山谷えり子元国家公安委員長がチーム事務局長を務め、激しく批判していた。
泉氏は「今も学習指導要領の『歯止め規定』が立ちはだかり、授業で性交とは何かや母体の守り方を教えられなくなっている。それが性被害や望まぬ若年妊娠などにもつながっているという。この件は今、統一教会が自民党に強い影響力を行使したのではないかと報道されている。自民党PTによる『性教育バッシング』は間違っていた、統一教会の影響を受けていた、との認識はありますか。性教育の『はどめ規定』を撤廃すべきではないですか」と質した。(編集担当:森高龍二)