フリーランス取引適正化法案「今国会に提出」

2022年10月06日 06:37

 政府はフリーランス(従業員を雇わず1人で起業する者)で仕事をする人が報酬の支払い遅延や一方的な仕事内容の変更といったトラブルに多く直面していることを踏まえ、フリーランスに対し業務委託を行う事業者に書面や電子メール等で交付することを義務づけることや報酬減額などの取引上の禁止行為等を定める「フリーランス取引適正化法案」を今国会に提出する。岸田文雄総理は4日開いた「新しい資本主義実現会議」で法案を今国会に提出する、と語った。

 また岸田総理は公正取引委員会に対し「中小企業の賃上げが可能となる環境を整備するため、転嫁拒否の悪質事例を公表して、改善を強力に促すよう、踏み込んだ対応をお願いしたい」と要請した。

 このほか「非正規雇用労働者の待遇の改善を図るため、正規と非正規との不合理な待遇差を禁止する『同一労働同一賃金』の施行強化を」と述べた。

 会議で岸田総理は「短期的な賃金引上げに向けては政府としては来春の賃金交渉において、物価上昇をカバーする賃上げを目標に、個々の企業の実情に応じて労使で議論をお願いしたい」と期待する一方「中長期の構造的な賃金引上げのためには来年6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定する。成長分野に移動するための学び直しやセーフティネットの整備、年功賃金から日本に合った職務給への移行等を含め、この会議で議論を加速させる」とした。

 またスタートアップの起業加速へ「起業を志す若手人材を5年間で1000人規模でシリコンバレーや東海岸に派遣する。スタートアップ振興のため、SBIR制度(中小企業技術革新制度)を抜本拡充し、一定期間、経営者の個人保証を不要にする金融支援を創設する」と語った。(編集担当:森高龍二)