日本企業のワークバランス満足度、世界最下位。~アドビ、グローバル調査

2022年10月14日 05:58

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アドビが「未来の働き方に関するグローバル調査」。日本の中小企業では、ワークライフバランスの満足度が50%未満、対象国中で最下位

 テクノロジーの急速な発展やグローバル化に伴い就労環境は大きく変化している。日本でも働き方改革が推し進められてきたが、これはテクノロジー環境やグローバル化と合わなくなった日本固有の労務環境を脱却するのが主な狙いだ。しかし、経済不安定、気候変動、パンデミックなどの影響で、世界はさらに未来に向かって新たな就労環境へと変化し続け、不確実性は増大している。アドビが9月に発表した調査結果によれば、7割以上の企業就業者が職場環境の変化は普遍的であると認識し、企業文化がパーパス・ドリブン(目的駆動)なものに変化している中、不確実性を克服し安心感を得るためのデジタル依存の働き方を促進しているという。

 10月5日、米国のグローバルIT企業のアドビが8月に世界8カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア・ニュージーランド、日本、インド)の経営者、管理職、従業員、約1万人を対象にして実施した「未来の働き方に関する調査」の日本版レポートを公表している。レポートの副題は「不確実性の継続が企業のデジタル化やコラボレーションを促進」となっており、増大する不確実性の克服が企業のデジタル化推進と協力関係構築の動機付けになっているという。これによれば、70%以上の管理職と従業員が職場での変化が普遍的なものになっていると認識し、従業員はパーパス・ドリブンな企業文化へ高い期待を持つ一方で、協力関係と安心感を得るためにワーク・テクノロジーへの依存が増大していると分析している。

 日本企業に関する結果を見ると、中小企業ではリーダーと従業員の仕事全般、業務、ワークライフバランスに対する満足度がいずれも50%を下回っており、調査対象8カ国の中で最下位となっている。中小企業のリーダーの50%が勤務時間の柔軟性を求めており、対象国の中では最多となっている。また、従業員の42%が有給休暇の取得や勤務時間の更なる柔軟性を求めている。企業文化や目的(パーパス)に関しては、49%の従業員が「雇用者と共通の価値観を持っている」と回答し、「企業文化が従業員自らの価値観と一致している」との回答は54%、「目的意識を持って仕事をこなしている」は58%にのぼったが、いずれの回答も調査対象国の中で最少となっている。日本企業では、不確実性が増大する職場環境に対応しながら、企業目的に向かってメンバーの協力関係を築く体制が十分でないようだ。

 レポートは、不確実性が「従業員の福利や生産性へ影響」を与えており、「組織がデジタルテクノロジーへの戦略的投資を最優先にする必要」があると提言している。(編集担当:久保田雄城)